2018年末でタレントを引退したタッキーは、いわば退路を断つという思いきりのよさで滝沢秀明氏として『ジャニーズアイランド』の社長に就任した。

タレント出身の社長はお飾りにすぎない

ジャニー喜多川さんに対する尊敬の念は深く、ジャニーさんもタッキーの決断に感謝し、自分の帝王学を伝授していました。そのさなか、19年に7月にジャニーさんが亡くなり、タッキーは、帝王学を吸収する途上で後ろ盾を失ったわけです。

 ジャニーさんの死去に伴い、ジャニーズ事務所の副社長にも就任し、表向きはジャニーズ事務所を背負う後継者のひとりとして目されるようになりましたが、どこの会社もそうですが、創業者がガバメントする同族会社では、経営の本質になかなか口をはさめない。そもそもタッキーは、タレント出身ですし、若いころにほかの世界も知らない。いわば井の中の蛙。経営なんてまったくわからない。お飾りにすぎないと言ってもいいとか思いますよ」(情報番組デスク)

 という状況下で、実績は着々と積み上げた。

 20年には『SnowMan』と『SixTONES』を同時デビューさせ、今年10月には『Travis Japan』の世界デビューにもこぎつけた。

 それでも消えなかった“お飾り感”は、後任のイノッチが示してしまっている。

 前出・情報番組デスクが解説する。

スポーツ紙の担当記者に対して井ノ原は『ド素人の社長なのでみんなに助けてもらう』とまでいってしまっている。確かにド素人でしょう。そんな人間でトップが務まる組織は世間ではありませんが、芸能界では通じる。はやり“お飾り感”はぬぐえない。

 ただ、井ノ原に期待されているのは、若手にとって何でもざっくばらんにしゃべれる兄貴分という存在。その役目なら、井ノ原は適任でしょうね。敵もいないし、攻撃的でもないですから」

 自称“ド素人社長”に引き継がれた若手育成の役目。

 ジャニーさんが、多くの原石の中から、この子とこの子、という具合に組み合わせ、絶妙な化学反応を生み出すことに成功していたジャニーズアイドルという宝石。その一部を担っていた滝沢氏が退任することによって、ジャニーズ事務所が王国を築いてきた男性アイドルグループ界の先行きが、急に曇り出した。

 新しいアイドルグループを誰が作り出すのか。少年の将来を見通す“アイドルの目利き”としての滝沢氏の役目をイノッチが担えるのか。

 数年先に、どんなアイドルグループが登場しているのか、誰にもわからない。滝沢氏までも“辞めジャニ”になってしまった今、王国の維持・繁栄に、さらなる注目が集まるが、気になる情報も。

「退任した今も、ジャニーズ事務所とタッキーは、弁護士同士で話し合っているということです。何かもめごとがあるのか。『滝沢歌舞伎』はどうなるのか。まだしばらくは、タッキーショックは続きそうですね」(前出・スポーツ紙担当記者)

〈取材・文/薮入うらら〉