靴や靴下の生活で浮き指や扁平足も増加
ほかにも現代っ子特有の症状として、土踏まずが平らな「扁平足」や、足指が地面に着かない「浮き指」も多い。
「筋肉が未発達な子どもは、靴下や靴を履いていると足指や足裏が十分に使えません。土踏まずのアーチがないと足が着地する際のクッションがないため、ケガのリスクも高まります」
浮き指の主な原因は、靴のサイズが合っていないこと。
「実際の足より大きなサイズの靴を子どもに履かせていませんか。靴が大きいと足が前に滑ってしまい、本来曲がるべきところで曲げられず、浮き指になります。これは大人でも同じですね」
指が浮いてしまうのは、足指の筋力が不足しているため。
「かかとに重心が移り、バランスを取るために前のめりの猫背になるのです。姿勢が悪ければしゃがんだり、前屈ができなくなる。浮き指だと地面をしっかりと捉えられないため、走るのも遅くなります」
足に合う靴選びのポイントは、履いてみて1cmほど余裕があり、横幅が狭すぎないもの。面ファスナーではなく、ひもで縛るタイプがベストだ。靴底は足指の付け根で曲がるものを選びたい。
「あまり知られていませんが、靴を履くときはかかとをしっかりとフィットさせることがとても大事です」
足裏や足指を使えないと、健康面にデメリットが。
「ふくらはぎから足裏までつながっている筋肉があるのですが、足裏が使えていない子どもは、ふくらはぎも使えていません。ふくらはぎは下半身の血流を心臓に戻すポンプの役割をしています。この筋肉が使われないと血流が悪くなり、老廃物が排出しにくくなるため、子どもでも冷えや疲れなどの不調が出ることも」
このまま中高年になっても運動不足が続いていけば、メタボリックシンドロームや生活習慣病のリスクが上がる。将来的には寝たきりになる可能性も高いと考えられている。