ウラ話7「緻密な伏線」
何げないシーンがストーリーの鍵を握る伏線になっていることが多いのも特徴だ。
「第3話で湊斗がてんとう虫をベランダから逃がすシーン。てんとう虫は幸せのシンボルですが、第7話では図書館で想が抱っこをしてあげた子どもが手にした絵本の表紙のイラストがてんとう虫でした。紬の気持ちが湊斗から想に移ったという意味を表しているのでは?との声も」(前出・テレビ誌編集者)
第1話でも耳が聞こえた高校時代に、想が紬に対して何げなく発言した「うるさい」というセリフが、1話全体のキーワードになっていた。
「紬ちゃんの誕生花が想の名前の由来になっているサクラソウだったり、多くの伏線がちりばめられているなと感じました。また登場人物の行動を一方的に見せつけられているのではなく、視聴者ひとりひとりが考えさせられるような作りになっていることで、自然に涙があふれたり、多くの考察が生まれているのだと思いました」(みゆみゆチャンネルさん)
・ろう者が感じた『silent』の魅力
想の妹・萌(桜田ひより)の手話がとてもリアルに感じました。昔、ろう学校の友達のきょうだい(健聴者)と話した際、手話とジェスチャーが混ざったような話し方をしていたのを思い出しましたね。
ろう者と手話を覚えていく健聴者の手話の表現がやや異なっていて、過去に見たどのドラマよりリアリティーを感じました。奈々が想にほかのろう者を紹介しようとするシーンがありましたが、これもよくあることで、実際にろう者と交流された人が脚本を書いたのではないかと感じさせられました。(みゆみゆチャンネルさん)
みゆみゆチャンネル 登録者数14.6万人。生まれつき耳の聞こえない夫・ととちゃんと健聴者の妻・ゆうと3人の娘によるYouTubeチャンネル。“リアルsilent夫婦”として注目を集めている