そんな世論の波を見計らってなのか、W杯開幕から3日後の11月23日、自民党の萩生田光一政調会長は岐阜市内での講演会に出席すると、

「国際会議でマスクをしているのは日本人だけだ。そのくらい世の中は変わってきた」と、日本が世界情勢から取り残されている現状を明かし、マスク着用の見直しについて言及。

 すると27日、BSフジ『プライムニュース』に加藤勝信厚労相が出演すると、「メリハリは大事」としつつも、あらためて屋外でのマスク不要を視聴者に呼びかるとともに、コロナを感染症法上の「2類相当」から「5類」への引き下げにも「議論はあり得る」と言ってみせた。

 松野博一内閣官房長官も翌28日の会見で、「マスク着用のルールを含めた今後の感染対策のあり方や、重症化リスクの低い患者をはじめとする外来医療費等の後期支援のあり方についても引き続き検討していきます」と、“ルール”の見直しを“検討している”現状を説明。

 連日の支持率低下が伝えられる岸田文雄首相と内閣だけに、“検討”ばかりのコロナ対策でようやく動き出した、ということだろうか。そして日本でもマスク着用ルールに縛られずにスポーツやコンサート、イベントを楽しめる、また日常生活を取り戻す日も近いということだろうか。

大谷効果でWBCは超満員に

 2023年3月には、野球の世界大会である『ワールドベースボールクラシック(以下、WBC)』の国内開催を控えている。『ロサンゼルス・エンゼルス』の大谷翔平選手の出場も期待されるだけに、当日のスタジアムは『侍ジャパン』を応援するファンで超満員になることは必至ーー。

 観客同士の感染やクラスターを防ぐべく、それぞれが独自の感染対策をしてきたJリーグやプロ野球。2022年シーズンには、観客制限を設けた“声出し応援エリア”内に限って、サポーターやファンが声を出して応援できる環境も整えてきた。それでも国内スポーツ観戦の場では、国や各自治体の“要請”に則ってのマスク着用が前提で、来場者は文句を言うことなく従ってきた。