コロナ禍のスポーツ現場を取材してきたスポーツジャーナリストは、「世界の常識から取り残された、日本のさらなる“ガラパゴス化”を露呈することにもなりかねない」と、現状ルールを適用した場合のWBCに危機感を募らせる。
今回のWBC開催地として、1次ラウンドは日本、アメリカ、台湾の3か国。準々決勝を日本とアメリカ、そして準決勝以降はアメリカでの開催が予定されている。
このアメリカは2022年3月に全州で、9月には公共交通機関におけるマスク着用義務を撤廃。そして台湾もまた、12月1日から屋外でのマスク着用義務を撤廃と、それぞれが国の主導のもとで“ノーマスク”の日常を取り戻しつつある。
日本人だけがマスクをする異世界に
「当然、メジャーリーグのシーズン同様に、アメリカラウンドではマスクを着用する観客はいないでしょう。翻って日本ラウンドはどうか。マスク姿の観客で埋め尽くされたスタンドが世界配信されたら、それこそW杯とは逆に各国から“日本は異世界”と見られかねませんし、日本政府が笑いものになる可能性もある。
そして海外からWBC観戦に来る外国人観光客ですが、マスク着用は“義務ではなく、要請です。推奨です”と言われてどの程度理解してくれるのか。日本人だけが律儀にマスクをするスタンドになりかねません」(前出・ジャーナリスト、以下同)
もちろん、連日の新規感染者数が物語るように依然としてコロナが猛威を振るっている、故にマスクを外すことを不安に感じる人がいる。それに伴い、“ノーマスク”によってトラブルが起きる、巻き込まれるリスクもあるだけに、各場で定められた“ルール”を各々が守っている事実もある。
「アメリカを含めた世界のリーダーは、強いリーダーシップと責任を持って“マスクを着用する、外す”ことを“義務”として明確に示しました。だからこそ、国民も安心してマスクを外す行動に移せたのだと思います。
マスクやワクチンにしろ、コロナ対策の責任を国民に押し付けるような要請、推奨ばかりに見えてしまう岸田首相。自主的にマスク着用をしてくれる日本国民に甘えるのではなく、そろそろリーダーとして本気で検討してほしいものですが」
WBC開催まで4か月、またも検討して終わるのか、それともーー。