恩返しというのは、その業界で確固たるキャリアを築いた人が、お世話になった人や後進のために起こす具体的なアクションを指すのではないでしょうか。たとえば、2004年にエイベックス専務(当時)の松浦勝人氏は会長と経営方針で決裂し、松浦氏が退社して新しい会社を設立すると発表しました。いくら松浦氏がカリスマプロデューサーと言えども、新しく作った会社がエイベックス以上にうまくいくという保証はない。しかし、浜崎あゆみは自分を見出し、プロデュースしてスターにしてくれた松浦氏に恩義を感じていたのでしょう、「彼の存続と共に浜崎あゆみの行方も決めさせていただきたいと思っております」と発表。当時の浜崎は全盛期でしたから、彼女が移籍すれば会社はドル箱を失ってしまいます。エイベックスの株価は下がり、株主から抗議が殺到したこともあって、松浦氏の退社は撤回されたのでした。
「恩返し」できるほどの域に達していない
浜崎サンが松浦氏に恩返しできたのは、ひとえに彼女が商業的な成功を収めていたから。売れないアーティストが「松浦氏についていく」と言っても、恩は返せないのです。まだ若く、かけだしの女優である唐田サンは、今のところ、その域に達しているとは言えないでしょう。事務所が彼女の復帰を全力でサポートしているのは事実でしょうが、人気商売では知名度が物を言う部分は大きいので、悪名であっても名前が売れた唐田サンには商業的な価値があるはず。所属している女優に仕事を斡旋するのが事務所の“お仕事”なわけですから、「事務所が私を助けてくれた」ことは、そんなにいい話ではないと思います。唐田さん、ちょっと自分に陶酔しやすいのかもしれません。
自己評価が高いことは決して悪いことではありませんが、マイナス面も持っています。自己評価が高すぎると、客観性が失われることがあります。その場合、自分の都合で物を考えてしまうために、不毛な恋愛をしやすいのです。
たとえば、自分は真面目に交際したいと思っているのに、カラダだけの関係で終わってしまうとか、婚活中に不倫を始めてしまう人がいて、彼女たちの話を聞いていると「だって、私が好きだから」という論理で、相手の気持ちや反応を確かめることなく、すべて自分に都合のいいように解釈して突っ走ってしまうのです。唐田サンはSNSで東出との交際を匂わせる投稿をして「したたかな女」と世の女性の不興を買いましたが、本当にしたたかな人はまず妻子持ちとは付き合わないでしょうし、匂わせのように自分のクビが締まるようなことはしないのではないでしょうか。これも後先考えず「だって、私がそうしたかったから」そうしたまで、ということなのかもしれません。