「今回の写真集は、初の自己プロデュース作品となっています。これまで露出度の高い写真集やDVDを何作か出させていただいたのですが、年齢を重ねていくにつれてちゃんとした服を着たいなと思い始めていたんです。これまでの作品はそもそも露出をメインに衣装やロケーションを考えていたので、なかなか自分の理想とする撮影ができず、男性読者が好むようなコンセプトの撮影がほとんどだったんですね。撮影の際にこちら側から理想とするイメージを提案しても、どうしても100%実現できているとはいえなくて、それならもう事務所で作ろうってことから制作が始まりました」
自身で写真集のプロデュースを手掛けることで、新たな発見もあったという。
20代が終わる焦りもあった
「これまでの撮影では求められたものをとにかく全力でやりきることに集中すればよかったんですけど、今回の写真集は“私がやりたいこと”からスタートしているので、自分から周りのスタッフの方々に提案していく必要がありました。自分が本当に求めてるものは何なのかを考える作業は結構大変で、やっぱり求められて指示を出される方が楽なんだなってよくわかりました。でも、ようやく納得いくまで作品にこだわれたという達成感がありましたね」
メディアでの露出が増えている片山だが、その私生活はあまり世間には知られていない。
「結構インドアな人間なので、ミステリアスに見えちゃうところがあると思うんですよね。頻繁に旅行に出かけたり、外食したりするわけでもないのでSNSに載せられる写真もなくて……(笑)。でも自然は好きで、最近は特に宇宙にハマってます。ぼーっとしたいとき、無になりたいときにYouTubeで星空のライブ配信を観たりしてますよ」
芸能人がSNSで自らの私生活の紹介をし、発信していくというのはスタンダードになりつつあるが……。
「他の人の生活を、例えばジムの動画やコスメの動画などを見るのは好きですが、自分から発信するとなると抵抗感を感じてしまって……。努力している姿を見せたくないと、心のどこかで思っているのかもしれません。それでも“私生活を見たい”と仰ってくれるファンの方もいるので、インスタグラムを頑張って更新するようにしています」
“他人にこう思われたい”“自慢したい”といった意識は感じられず、片山には“自然体”という言葉がぴったり当てはまるのかもしれない。しかし、そんな彼女にも切羽詰まっていた時期があった。
「今振り返ると20代後半は精神的に余裕がなかったなと。20代が終わってしまうという焦りで、周囲からのプレッシャーがあったわけではないのに、勝手に自分で自分を追い込んで苦しくなっていました。だから、30歳を迎えたときにどこかほっとするような気持ちになりましたし、結婚や子ども、健康など考えるべきことは多くはなりましたが、仕事に関しては昔よりも余裕が出てきたと思います」
余裕が生まれたことで、仕事に対するモチベーションにも変化が生まれた。
「20代はフレッシュさを押し出してがむしゃらにやってきました。そこでいろんな経験を積ませてもらったからこそ、これからは違う必死さで取り組まないといけないと思っています。仕事のオファーの内容が20代のころと変わらなかったとしても、ちょっとした何かにこだわって頑張っていきたいですね。そういった意味でも、今回の写真集は30代のスタートにふさわしい作品になっているので、ぜひ多くの人に手に取って頂きたいです」
片山萌美(かたやま・もえみ)
1990年10月1日生まれ。東京都出身。2012年『ミス日本』ネイチャーを受賞後、翌年に女優デビュー。近年の主な出演作に『ばるぼら』(20/手塚眞監督)、『万引き家族』(18/是枝裕和監督)。ドラマ作品では「警視庁強行犯係 樋口顕」シリーズ(22/TX)、『99.9刑事専門弁護士』(TBS/21)『全裸監督シーズン2』(21/Netflix)など。
※12月12日の写真集『M』発売に際して、18日には青山ブックセンターでサイン会を開催。25日には1対1のオンライントークイベントを、15日にはブックファースト新宿店で特典会イベントも開催予定。