まもなく迎える令和5年は、両陛下にとって“ご結婚30周年イヤー”。コロナ禍が収束に向かえば、国際舞台でのご活動も見込まれるという。
「イギリスご訪問はコロナの影響で延期中ですが、来年は実現する可能性があります。国際親善を目的とする即位後初の外国公式訪問先は、新国王になったとはいえ、延期中のイギリスとなるのが自然だと思います」(山下さん)
キャパシティを模索されている
ある宮内庁関係者はアジア地域へのご訪問を示唆する。
「2023年、日本とASEANの友好協力関係が50周年を迎えるタイミングで、ASEANの本部があるインドネシアのジャカルタ周辺を外遊されるのではないかという見方が強いです。実現すれば、雅子さまにとって初のアジアご訪問となります」
今年7月、両陛下はお住まいにインドネシアのジョコ大統領夫妻を招かれた。雅子さまは、お見送りの際に両手を合わせたインドネシアの挨拶を披露されるなど、約2年7か月ぶりとなった“皇室外交”をまっとうされた。
「来年はベトナムとの外交関係が樹立して50周年の年でもあります。'09年2月には、前年に外交関係樹立35周年を迎えたことを記念して、当時の皇太子さまがベトナムを訪問されましたが、今回こそおふたりで足を運ばれるのでは」(同・宮内庁関係者)
上皇ご夫妻は即位中、マレーシアやフィリピンなどを訪問し、太平洋戦争中の犠牲者を悼まれた。
「戦争を体験されていない現在の両陛下が、アジア地域を訪れることは“継承”という面でも非常に大切です。日本から比較的距離が近いエリアですし、雅子さまへの負荷を鑑みても、現実的といえるかと」(前出・宮内庁OB)
令和の国母として国際的なご活動に期待が集まる一方で、不安の声も上がっている。
「この1年、雅子さまはコンスタントに公務をこなし、自信をつけられたと拝察します。ただ、依然としてご体調には波があり、時折お疲れのご表情が垣間見えることもありました」(前出・皇室ジャーナリスト、以下同)
海外訪問は、国内の公務とはケタ違いのご負担を伴う。
「一般人の旅行や出張でも異国となれば疲れがたまりますが、“国賓”として過密なスケジュールをこなされる両陛下の気苦労は計り知れません。皇室外交に強い使命感をお持ちの雅子さまは、“今までできなかったぶんも”と意気込みつつも、一進一退のご体調と向き合いながら、ご自身のキャパシティを模索されているのではないでしょうか」
心痛の種は尽きない。
山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている