稽古場が僕にとっての癒しの空間
子ども時代から、殴り合いの経験もないという。
「人を殴ったこともないし、殴られたこともないです。周りもそうだったし、平和な地元でしたね。だから、こういう時代があまりピンとこなくて。なので、映画を見て、当時はこんな感じやったんやって時代背景を勉強したり。『マイケル・コリンズ』と『ブラディ・サンデー』を見て、これから『ハンガー』を見ようと思ってます」
“ザ・ビューティフル・ゲーム”とは、サッカーを愛する人々が、サッカーの試合を形容する言葉。では、小瀧にとってのビューティフル・ゲームは何なのだろう?
「えっ、何やろ?美しいもの、没入するほど好きなもの……ああ!稽古場ですね。稽古場がとにかく好きなんです。ひとつの物語を何日も何日も見つめて、セリフの奥の意図まで読み取れるようになったらうれしいし。みんなで1日何時間も稽古して、変化が起きたときはすごく楽しいし、みんながどういうお芝居をしてくるのかも楽しみやし。
そして大きなものが、ゆっくりと時間をかけて立ち上がってきたときの、“おー!”という感動。今、あらためて、僕って演劇が好きなんだなあって感じてます」
なので、癒しとなるのも稽古。
「別の用事で行けなかったとき、むちゃくちゃ楽しそうな稽古をしていて。それがストレスでした。“行きてー!”って(笑)。稽古場の空間が、僕にとっては癒しなんです。
なんか、高校生に戻ったような、それくらい青春な感じ。同年代を演じる役者陣が19歳から38歳、ダブルスコアか。それくらい差があるんですけど、全然(差を)感じなくて。笑顔にあふれていて、一緒にお芝居ができてよかったなあって思ってます。そしてそれを本番で見ていただいて、何か感じてもらえたらうれしいです。お楽しみに!」
Q 公演期間中のマインドセットのコツは?
「マインドのせいでパフォーマンスがブレたくなくて。普段からテンションのアップダウンはないほうなんですけど、さらにないように意識しています。コツは、ルーティンにすること。例えばジャニーズWESTのアリーナツアーのときは、開演2時間前からシャワー、1時間半前からメイク、1時間前からイヤホンで音楽を聴きながら軽くストレッチ、と時間を決めてやってました。そうすると毎日同じように過ごせるので、あまり(マインドが)ブレないんです」
『ザ・ビューティフル・ゲーム』
1月7〜26日 東京・日生劇場
2月4〜13日 大阪・梅田芸術劇場 メインホール
〈スタイリスト/村田友哉(SMB) ヘアメイク/藤岡まなみ(メーキャップルーム) 衣装協力/シャツ (Lui's)、コート、パンツ (ともにsemoh)、その他スタイリスト私物〉