'01年5月には第一子のご懐妊が発表された。マタニティファッションといえば、ゆったりとしたドレスを着ることが多いが、雅子さまは妊娠されている間もスーツスタイルを守り通した。

「ロング丈のジャケットは、お腹の膨らみを目立たせないようにウエスト部分が絞られています。ご出産後、普通のスーツにリフォームすることを念頭に置いて作られていたのでしょう。お召しだったタイトスカートからは、“お仕事”に対する意識の高さがうかがえました」

「気分が上向いている」と感じた“インナー”

 同年の12月1日に愛子さまをご出産。母となられた雅子さまは、公私ともに白やベージュなどの淡い服装をお選びになる機会が増えていった。「生まれてきてありがとう」と涙ぐまれた、愛子さまのご誕生に際しての記者会見でも、パステルブルーのスーツを身にまとわれている。

 しかし、'04年7月に『適応障害』と診断された後、ファッションにも変化がみられた。

「ご体調が優れなかったときはグレーやネイビーなどのダークトーンをお召しになることが多かったように思います。特に、ネイビーに白のストライプが入ったジャケットがお気に入りで、何度もお召しになっていました。ただ、愛子さまの学習院幼稚園や同初等科の入学式、'06年のオランダご静養など、重要な場面での“勝負服”はいつも白でした」

雅子さまがご静養の際によくお召しになっていたストライプ柄のスーツ。平成18(2006)年7月/JMPA
雅子さまがご静養の際によくお召しになっていたストライプ柄のスーツ。平成18(2006)年7月/JMPA
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 ‘10年3月には、初等科2年生の愛子さまに関して、鞄を投げるなど乱暴な生徒がおり、通学に不安を抱かれていると宮内庁・東宮職が公表した。雅子さまは毎日のように、愛子さまに付き添って登校された。その時はいつも、ネイビーやグレーなどの暗い色の服を身に纏われていた。

「付き添い登校が終わった'12年ごろ、学習院大学で行われたイベントにお出ましになった雅子さまのスーツのインナーがサーモンピンクだったことは、印象強く残っています。それまでの洋服は基本的に寒色系をお召しになる機会が多かったので、“気分が上を向いているのかもしれない”とうれしくなりました」