習慣や体質によって有害になる食べ物
毎日摂取する食べ物が健康状態を左右するが、中でも糖質や、脂質などの代謝が追いつかず、体内にたまってしまうことは、生活習慣病の大きな要因だ。
「やはり怖いのは糖尿病。甘いお菓子全般に加え、白米、うどん、パンなどの炭水化物は僕も食べすぎないように心がけています。特に、白米は1日に食べる量を茶碗1杯増やすごとに糖尿病リスクが11%上がるとする論文もあります」と歌島先生は話す。
他にも気をつけたいのは脂質。代表的なのが、マーガリンやスプレッド、ショートニングなどの油脂に含まれるトランス脂肪酸だ。
「市販のケーキや揚げ物などによく使われるトランス脂肪酸は、とると悪玉コレステロール値が上がりやすくなります。動脈硬化に始まり、心筋梗塞・脳梗塞・認知症などいろいろな病気のリスクを高めます」と、石原先生。
また、料理の味つけにも不健康がひそむ。圓尾先生は、顆粒だしなどのうま味調味料の影響について話す。
「よくないのは、感じるうまみが強いことで、味覚が狂うこと。あっさりした自然な味つけでは満足できなくなり、塩分や油分の多いものや加工食品などに走ってしまうんです」
一方で、船山先生は激辛料理が好きな人にも注意を促す。
「例えば唐辛子なども、少量なら代謝や血流をよくする健康効果がありますが、食べすぎると辛味成分のカプサイシンが食道の粘膜に炎症を起こしたり、高血圧や排尿障害の原因にもなります」
他にも、生活のなかで常用薬を飲んでいる人には、飲み合わせで危険を招く食べ物も出てくるという。船山先生がその代表を挙げる。
「グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という植物成分と相性が悪い薬は多いです。例えば、血圧を下げるカルシウム拮抗薬や、コレステロール値を下げるスタチン系薬剤は副作用が強く出てしまうので絶対ダメ。それから、健康食材の代表である納豆も、『ワーファリン』という血液をサラサラにする薬を飲んでいるときに食べると、薬の効果を減じるのでよくない。薬剤師の服薬指導に従ってください」