カリスマアイドルがいない今、ファッションもカスタム化

 元祖平成ブーム時のファッションは、どこもかしこもアムラー一色。

 令和では、目指すアイドルがいない分、個人のカスタマイズ化が進んでいるという。

「時代を象徴するアイドルが1人いて、みんなでその方向を向いている、というわけではない。これは、みんなが同じTV番組を観ていた昔と、個々がスマホでSNSなどから情報を得る現代との違いが生む差なのかもしれませんね」

 ファッションを楽しむ人たちの体型も「やせ」が主流からはずれた。

「平成の時代には“おしゃれ”と“痩せていること”はセットでした。しかし、今はボディポジティブの考えが定着しつつあり、スリムでもぽっちゃりでもミニスカートやへそ出しスタイルを楽しんでいます」

 ファッションは“人に見せるため”ではなく、“自分が楽しむため”のものにシフトしている。人からどう思われようと、自分が楽しければという潮流がくっきりしてきたという。

「あんなにファッション誌を賑わせた“モテ系”という訴求も、今の若者の間ではほとんど話題になっていません。モテ軸ではなく、自分軸。同性にどう思われるかすら、あまり気にしていないように思います。まさしく多様性の時代なのです」