第一線を退いた後は美術館で館長

 その後、森英恵さんは‘04年のパリコレクションで第一線を退いた後は、彫刻の森美術館や美ヶ原高原美術館などの館長を務めた。

 そんな森さんの功績を称えるとともに追悼の意を込めて、12月22日から‘23年1月29日まで地元の島根県立石見美術館で特別展が開催される。所蔵する森さんの作品約30点が展示されている。

ブランド初期にモチーフとして多用した蝶が『ハナエモリ』のシンボルとなっていますが、この蝶は森英恵さんが幼少期に、郷里である島根県吉賀町で目にした記憶からきています」(前出・ファッション誌編集者)

 郷土への思いが強かった森さん。今回の追悼展を開催した経緯について同美術館の学芸員はこう話した。

「森英恵さんは当館が所在する島根県西部の出身です。当館はファッションを活動の柱にしていることもあり、また、郷里の美術館としてご本人と交流があったことから、訃報を受けて今回の追悼展を開催するに至りました」