父親と容疑者が怒鳴り合う声が外にまで…
一家は3人暮らし。両親は、50歳になる息子とたびたび衝突するようになった。
「昨年ごろから、自宅で父親と息子が怒鳴り合う声が外まで聞こえてくるようになった。“うるさい!”とか“何をしてるんだ!”などと口論が20〜30分ぐらい続き、ときおり母親が“やめて”と仲裁に入るものの“おまえはあっちに行ってろ”などといなされていた。父親は“昭和の頑固オヤジ”に似た雰囲気があったから一歩も引かなかったのではないか」(前出・近所の男性)
室内で物を叩く音がしたり、パトカーが駆けつける騒ぎも数回あったという。警察官があいだに入ると騒ぎは収まり、嘉朗容疑者はその直後、決まって車でどこかへ出かけた。
本人の話などによると、地元の中学を卒業後、学業成績が芳しくなく高校を中退。いくつかの職場を経験しながら《真の会社》に巡り合えず転職を繰り返してきたとする。
高学歴の両親にコンプレックスを抱いていたようで、大卒・終身雇用の人生を望まれてきたとストレスを告白。珍しく日本語表記で怒りを爆発させたのは4月だった。
《両親が、私に対して有る事無い事を並べ立て何十年にも渡って中傷してきたのは許せない。ほとんどすべてがでたらめだ。事実無根の精神病やアルコール中毒扱い(中略)こちらの貯蓄や仕事の内容を確かな情報もないのに想像で決めつけて流布する》(原文ママ)
特に父親への憎悪が激しく、
《昔から彼の言葉の9割は嘘》
《ゴミクズ以下の男》
と罵る。
母親に対しても、
《母は私がすでに車の運転技術では一流の水準にもあるにも関わらず危険運転をすると決めつけ、同乗した際は全く問題のない運転にも関わらず難癖をつけて大声で騒ぎ立てる》
と反発。
《この二人は人間的には最低の部類に入る虫けら以下の存在だ》
と吐き捨てた。
「そうした反目が怒鳴り合いをエスカレートさせたのか、警察は2〜9月にかけ4回の通報を受けている。両親は“息子から暴力を振るわれている”とか“息子が暴れているので鎮めてほしい”などと相談する一方、事件化は望まなかったという。その都度、警察は市に連絡し、市も対応してきたが最悪な結果を招いてしまった」(前出の記者)
市の高齢福祉課の担当者によると、両親と嘉朗容疑者の双方から相談を受け、3〜11月に電話や対面で計22回やり取りする支援を続けてきた。自宅を訪問したことも1回あった。