目次
Page 1
ー 額面は増えても手取りが減る
Page 2
ー 住民税非課税世帯になるか、ならないか
Page 3
ー これだけ手取り額が違う!
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ー 住民税非課税世帯はメリットだらけ ー 郊外のほうが「壁」の金額は低い

 

 よく見聞きする「パート主婦の年収の壁」。妻の年収が、ある一定額を超えると、夫の扶養控除が受けられないうえに、支払わなくてはならない保険料などが発生し、結果ソンをしてしまうというあれだ。それと似たような壁が、実は年金にも存在することをご存じだろうか?

額面は増えても手取りが減る

 教えてくれたのは、税理士でファイナンシャルプランナーの犬山忠宏さん。

年金の受給額が、ある金額を超えると、額面は増えたにもかかわらず、手取り額は減ってしまうという逆転現象が起きるんです」

 増えたのに減ってしまうとは、まさに、超えてはいけない壁。現在、年金受給の繰り下げを検討している人は要注意だ。

「'22年4月の改正で、年金受給の最大繰り下げ年齢が70歳から75歳になりました。メリットは、受給額の増額です。受給を75歳まで繰り下げた場合、65歳から受給するのに比べ、単純計算で、8割以上多い受給額になります」(犬山さん、以下同)

 当時、マスコミでもしきりにこれを伝えていたので、少しでも年金で得をするために、75歳とはいわなくても70歳への繰り下げ受給を検討し始めた人も多いのではないだろうか。

「しかし、先ほどの“壁”のことをしっかり考えないと、必ずしも多く受給できるとは限りません。それどころか、人によっては年間最大90万円のソンになるおそれもあるのです」