藤里一郎の身勝手な言い分
我慢の限界を迎えたAさんがその意思を伝えたところ、藤里は《僕はAのことが大好きでした。だから余計に想いが先走ってしまったのかもしれません》と、“好意”を言い訳に。しかし、Aさんは「彼にとってはそうなのかもしれませんが、私が受けた行為は立派な性被害です」と、その身勝手な言い分を強く否定した。
「“好きだよ”と繰り返し伝え、相手に本気の好意だと思わせて性加害を行うので、みんな訴えにくいのかもしれません……。同様の被害を、私はほかの女性からも確認しています」
Aさんの話が事実ならば、藤里の行為は間違いなく性加害にあたる。2022年4月中旬、事実を確認するため藤里に電話で取材を申し込むと、本人が対面での取材に応じた。
藤里は、「大前提として、恋愛関係にあったんですよ」と主張。
「僕の撮影距離はめちゃめちゃ近いので、撮影中に身体が触れることはあります。ただ、故意に身体を触る、胸をなめる、挿入しようとしたなんてことは、記憶にないです」と語り、浴室での撮影中、服を脱いで同じ浴槽に入ったことについては、「アングルの問題で浴槽に入ることはありますし、暑ければ服を脱ぐこともあります。ただ、仮に女性が嫌がっていたとしたら、絶対にやめます」と説明した。
あくまで性加害はなく、一部の行為は交際関係のもとに行われたものだという姿勢だった。
しかし、Aさんのもとには、藤里が主宰する写真スクールの生徒から、藤里がAさんに対して行ったことを非難する声が届いており、彼女はこうした被害について「ある程度認識されていたんだな」と感じていたという。そして、藤里を相手に訴訟を起こし、裁判で闘っているBさんという女性がいることも知った。
週刊女性がBさんに電話で取材を申し込んだところ、「申し訳ありませんが、まだ係争中なので……。私の口からは、現時点では何もお答えできないんです。すみません……」そう言い残し、通話を終えていた。
当時は多くを語らなかったBさんだったが、それから約8か月が過ぎた2022年12月下旬、彼女と藤里の裁判に判決が下された。裁判所は、藤里の行為によってBさんが受けた被害を認め、66万円の損害賠償の支払いを命じていた。
詳細を尋ねるべく、再びBさんに取材を申し込んだところ、対面での取材に応じ、その複雑な胸中を明かした――。