冬になると自販機で、缶のコーンポタージュやおしるこが売られていることは知っていた。だが、駅の自販機でラーメンスープの缶を発見したときは、思わず二度見してしまった。缶のサイズはコーンポタージュと同じくらいで、麺や具は入っておらず、スープのみ。とんこつラーメンで有名なラーメンチェーン「一風堂」が監修しているようだ。
変わったホットドリンクの品揃え
気になって他の商品ラインナップを見てみると、カレーやクリームシチュー、甘酒やチゲ風フープ、しょうが風味のスープなど、ちょっと変わったホットドリンクがたくさん。いつの間にこんなに増えたのだろう。
しかも、なぜか街中にある自販機にはあまり見られない。駅の自販機に多いのだ。いったい、この変わり種ホットドリンクは誰がいつ飲んでいるのか。朝のホームでおにぎりなんかをラーメンスープで流し込んでいる人がいるのだろうか……? JR東日本管内のホームや駅構内の自販機を主に展開している株式会社JR東日本クロスステーションの小室塁さんに話を聞いた。
ド定番商品を大きく上回るヒット商品
「コーンスープやラーメンスープなどの商品を私たちは『缶スープ』と呼んでいますが、弊社では実は2017年の冬ごろから力を入れています。ただ、昨シーズンに新発売した一風堂さん監修のラーメンスープが異例のヒットになったので、最近、急に増えた印象を持っている人も多いかもしれません」(小室さん、以下同)
もともと駅構内やホームでは、朝の時間帯に水やお茶がよく売れるという。午後になると売り上げは落ちてしまうが、その時間帯でも比較的よく売れるのが缶スープ類。自販機全体の売り上げを伸ばすためには缶スープが欠かせないのだ。
そのため、JR東日本クロスステーションでは、2017年ごろからふかひれスープやとん汁、ミネストローネなど、多いときには10種類ほどの缶スープを取り扱っていた。そのおかげもあり、缶スープの売り上げは2015年と比べると2018年は120%以上の伸びだったという。