生前に家族間での話し合いが大切
霊園事業関係者は、トラブルの原因で多いのは家族間での意見の食い違いだと言う。
「合祀型のお墓に納骨した後で『なんでここに入れちゃったんだ!』と後から親戚に言われるというトラブルは聞いたことがあります。
本人が望んでいたとしても、最初から合祀に入るケースなどは、一般墓に入るものと思っていた親戚から非難されることもありますね」
永代供養墓の需要は増えているが、先祖代々のお墓に入るべきという従来の考えの人も多い。
親戚がいる場合は事前に相談するのが無難だろう。
「お世話になっているお寺があることを知らずに別のお墓を買ってしまい、親戚から『なぜ檀家になっているお寺でお墓を買わないのか』と言われたという人もいます。そうしたトラブルから、その後、親戚間で疎遠になったと聞くこともあります」
永代供養のお墓は想像以上に多種多様。
「海洋散骨、さらにはバルーン葬、宇宙葬というのもあります。火葬場から骨を引き取らずに置いていく『ゼロ葬』というものが一時、話題になりました」
“終活”という言葉が定着し、著名人が散骨を選ぶといった報道もあることから、注目度が上がっている。
「永代供養墓についても、種別に関して明確な線引きが難しくなってきているのが実情です。ご家族が何を叶えたいかを生前にはっきりさせておくのが大切です」
直面してみないとなかなか考えることがない問題だが、どのような形があるかを調べたり、情報収集しておくのが重要といえる。
「家族や親戚間でのトラブルを未然に防ぐためにも、本人(自分)が何を重視するのか、希望を明確にし、しっかり家族や親戚と話し合っておくことが大切です」
<取材・文/竹腰奈生>