彼女は「3時のヒロイン」のリーダーとして、番組内で二人の相方にキツめのダメ出しをすることもありますし、「グッとラック!」(TBS系)や「ホップUP!」(フジテレビ系)のコメンテーターを務めて、週刊誌などの報道をもとに自分の意見を言ってきました。仕事だから、そういう役割を引き受けてきただけのことでしょうが、このまま、彼女が身に覚えがないのに沈黙を守っていると「人にはいろいろ言うけど、自分のときはダンマリかい」と面倒くさい人と思う人も出てくるでしょう。記事を読めば、二人に怪しいことがなかったことはわかるわけですから、さらっと「こういうことだったんですよ」と説明しないと「本当は岡田とどうにかなりたいという気持ちがあった」「写真に撮られたのがまんざらでもないんだろう」というさらなる憶測をよんでしまうかもしれません。

サバサバしているオンナはこの世にいない

 しかし、時すでに遅し。「私ナイーブなんで」という福田サンの弁は、SNSでは「私ってサバサバなんで」に置き換わってしまっているようです。「私ってサバサバしてる」と自称するサバサバ女子とは、性格的にさっぱりとしていて陰湿なところがまるでないため、女性より男性のほうがつきあいやすい。だからオトコ友達のほうが多いと自ら言う女子を指します。なぜ女性の性質がねっちょりで男性がさっぱりと二分されているかは謎ですが(それは性別ではなく、個人の問題なはず)、それはさておき、よく見ていると、案外自称サバサバのほうがサバサバを口実に、男性に接近していることが透けて見えることもある。その面倒くささから、自称サバサバは「オンナに嫌われるオンナ」としてみなされ、「あの人はあんなこと言っているけれど、自称サバサバだ」と言われてしまうのですが、ここで「亀の甲より年の功」で言わせてください。

 サバサバしているオンナなんて、この世にひとりもいませんことよ。

 私の記憶が正しければ、サバサバしているキャラが台頭したのは、約10年前。当時は女優・篠原涼子や鈴木砂羽がその代表格と言われていました。その二人を起用したのが、ドラマ「オトナ女子」(フジテレビ系)でした。篠原は仕事はできるものの、男性には甘え下手、後輩女子からはこっそり「イタい」と呼ばれている40代の女性を演じています。男性に甘えたいけれど、甘えられない。こんな時に「どうして私は甘えられないのだろう」と関心を自分に向ける人と、「いいトシをして男性に甘えたいなんてバレたら、周囲におかしい人と思われてしまうのではないか」と他人からの評価を気にしてしまう人がいます。

 いくつになっても異性によく見られたい、甘えたいという気持ちは全く恥ずかしいものではないと私は思いますが、「他人にどう見られているか」に敏感すぎる人は、「男性に甘えたい自分は、周囲にイタいと思われてしまう」と決めつけて、だからこそ、甘えない自分、つまりサバサバを自分から演じてしまうのではないでしょうか。けれどもサバサバを演じたところで「男性に甘えたい」という願望そのものがなくなるわけではないので、ふとした瞬間にそれが駄々洩れてしまう。その結果、はたから見ると「サバサバを自称しているけれど、実はねっちょりしていて面倒くさい」と思われてしまうのです。