「理事長派の側近職員は定例会議以外の重要な会議を、常に私の授業があり出席できない時間に行ったりするのです……。突然、校長室の移動を命じられることもありました。これらにより、現在までスムーズな教育活動が行えない現状があるのです」

『週刊現代』が2022年11月28日発売号で、山岡理事長の“給付金不正受給疑惑”を報じ、“お家騒動”は再燃。

 山岡理事長は『白川書院』という出版社の代表取締役も務めており、その出版社の決算を改ざんし、200万円の持続化給付金を不正に受給したというのだ。

不正受給疑惑、保護者には“説明しない”

「報道が出た翌日、保護者会は学院に説明会の開催を求めてきました。しかし学院は、“調査委員会を設置する”“出版社に強く抗議した”という文書を出しただけ。不誠実な対応に、このままでは保護者たちの気持ちが離れてしまう……。私たちにも、報道内容に関する説明はなく、“学院を貶める内容を誰がリークしたのか”というだけ。保護者になんと説明をしたらいいのかわらかない状況です」

 ある教員が部活動などで会う保護者に、報道についてどう説明すればいいか羽田副校長に聞くと“遺憾に思いますと言いなさい”としか言われなかったという。

「なにより『白川書院』という出版社は、平女とはまったく関係ない組織であるにも関わらず、発行している月刊誌を私たちに圧力をかけて半強制的に買わせたり、平女の建物内に『白川書院』の事務所を移動させたり、平女の管理職が『白川書院』の役員に名を連ねていたりするのです。

 これに限らず理不尽な人事や不当な昇給査定といった、山岡理事長のパワハラ行為は、学院を“私物化”する行為そのものですよ」

 今まで穏やかに話していた今井校長の言葉に怒気がこもる。そして、

「このような状況下でも、教職員たちは生徒を守るために懸命に努力をしてきました。生徒のことを考えれば、このような内容をメディアに話すことは控えるべきだとする声も出るでしょう。しかし、本来の教育を持続し、未来に向かっていくためには、やむを得ないこと。教職員がいがみ合い、混乱する中で、子どもたちに何を伝えられるのでしょうか。そのためにも間違ったことには声をあげる勇気を、私たちが示すべきだと思っています」

 これは教職員と理事長だけの対立ではない。学院を退職した教職員らや学生たちも、山岡理事長の退任を求めて声をあげる。