キャリアの折り返しひとつひとつが勝負
3月29日の誕生日で40歳を迎える。30代最後の昨年は舞台『広島ジャンゴ2022』で気弱な青年と馬の二役に挑み、話題を呼んだドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』では野心家のジャーナリストなど幅広い役柄を演じてきた。
「年をとることに抵抗はないけど、40歳はキャリアという面で折り返し。自分のやりたいことへまっすぐにシフトチェンジしていかないと間に合わないぞと思っています。自分の人生が終わるときに何が残せるのか、逆算して考えることがコロナ禍以降に増えた気がします。これからはひとつひとつの作品が勝負。自分の人生の集大成だと思って失敗を恐れず、いろんなチャレンジをしていきたいです」
映画のクランクインは主演ドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』の撮影後すぐだったが、緩んだ身体にするためお腹をパンパンにふくらませる努力も。
「体形を変えるのはこれまでにも経験がありますけど、さすがに時間がなくて(笑)。
実は『エゴイスト』は、お互いに役者と監督を目指していたときから知り合いの松永大司監督から最初に声をかけられたのが2019年。それから温め続けて'21年の秋に撮影をして、ようやく今年、僕の30代最後に公開される映画です。僕の中ではとても大きなプロジェクトだったので、ぜひ皆さんに見ていただきたいです」
4月28日には劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』の公開が控える。来年にはネットフリックスが全世界独占配信する映画『シティーハンター』の主人公・冴羽獠役に決まるなど、これからも活躍から目が離せない!
俳優&スタッフ信頼のアドリブ
撮影では、監督から渡される指示書のメモをもとにアドリブで演技をするシーンが多くあったそう。
「作品にもよりますけど、僕らが演技として目指すところは、自分の心から出てきた言葉が結果セリフになっていることなんです。浩輔役として生まれたセリフなら何でもいいから、そのままその場所で生きてくださいと任されるのは、すごい集中力を使うしプレッシャーもありますけど、同時に監督やスタッフが俳優を信頼してくれている証拠。役者が演じることにリスペクトしてくれる現場でしたね」と鈴木。