介護の専門職に任せることも大切

「そんなことはありません。まず、家族のチームワークがいいこと。そして専門職に上手に任せることも大事です」

 たまたま、村井さんの場合はご自身と姉がヘルパーで母親が介護経験者だったが、介護に不慣れなら訪問ヘルパーをお願いし、介護の大変な部分を担ってもらえば解決につながる。技術の面を補ってもらえるし、介護のしかたも学べる。

 また、優秀で優しいヘルパーやケアマネジャーは、家族がつらいときに、精神面でもカバーしてくれる。

「重要なのは、家族だけで介護を抱えないこと。介護職や看護師、医師などと協力し合って励まし合って介護をしていけばいいんです」

 両親や身近な人たちの在宅介護を成功させるヒントが、見えてきた。

介護してくれる人がいて安心、プロにしっかりケアしてもらえるという理由で、介護施設で最期を迎えたいという声も
介護してくれる人がいて安心、プロにしっかりケアしてもらえるという理由で、介護施設で最期を迎えたいという声も
【写真】高齢者に聞いた「人生の最期を迎えたい場所」

【人生の最期を迎えたい場所は「自宅」が最多】

 日本財団が2020年11月27~30日に実施したインターネット調査によると、看取られる側を想定した67〜81歳の男女484人が回答した結果は以下の通りだった。

1. 自宅58.8%
2. 医療施設33.9%
3. 介護施設4.1%

4. その他 3.1%
5. 子の家0.1%

 医療施設とは病院、診療所を、介護施設とは有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など。自宅を選んだ理由は、安心できる、なじみがある、最期まで自分らしく過ごしたいなど。

人生の最期を迎えたい場所は「自宅」が最多※日本財団が2020年11月27~30日に実施したインターネット調査より
人生の最期を迎えたい場所は「自宅」が最多※日本財団が2020年11月27~30日に実施したインターネット調査より

(取材・文/三輪 泉)