『現実は甘くありませんでした。出産後はとにかく時間もないし、余裕もないので、生活で最低限に求めるレベルが、自分は寝る前に歯さえ磨ければOK、子どもは生きていればまずはOK、というレベルまで一挙に落ちてしまいました(中略)こういった経験から私は、「子どもが小さいうちは、完璧に片づけることを諦めるべし!」ということを学んだのです。そんな中でも、せめてもと意識していたことは「自分のペースを保てる場所だけは、片付いた状態をキープする」ということ』
つまりどこを整理し、どこを整理しないかを自分の中で整理するということで、これはこれで極めて合理的な対処といえる。
今回のワシントン・ポストの記事に対するアメリカSNSなどの反応を見ると、彼女に理解を示す声が多かった。
「彼女の中でバランスが取れたということなのでしょう」
「いいんじゃないでしょうか。私も2児の母です」
「こっちの(片付けられない)世界にようこそ!」
「子育てこそ最大の“ときめき”ですから」
現在のこんまりはインスタグラムなどを見ていると、片付け一辺倒ではなく、日本的な禅の精神、瞑想や生活を楽しむこと、それを元にしたライフスタイルの提唱に舵を切っているように見える。アメリカ『TIME』誌が「世界で最も影響力のある100人」(2015年)に認めたこんまりの世界的な活動に引き続き注目だ。