“ルフィ”との関係性に──みせた“芸”
特に多くコメントが集まったのは、「兼近さんが家庭を持ったらどんなことをしたいか」という質問だった。兼近から寄せられたのは、
《家庭はもてません。それは世の中が許しません! 本名で続けていますので!》
とバッサリした返信だったが、「他の更生を目指す人たちにとっても励みになるから、家庭は持ってほしい」「世の中がどうこうではなく、自分の人生を生きてほしいと思ってしまう。頑張って更生していこうという姿が見えているから」といったリプライが多く寄せられている。
しかし兼近の決意は堅いようで、
《子供に辛い思いをさせない自信ができたら考えますね!》
と一言。今の状況を鑑みると、兼近にとってあまりに現実離れしている要望だったようだ。
ただあまりの反響だったこともあってか、時々は言葉が乱れる場面も。ユーザーから寄せられた「過去に未成年の女の子堕胎させたと聞いたが、どこまでが真実なのか」という質問には、
《俺はあなたのそれを全てしてません!!! が他の悪さはしてます!》
《そしてそんな被害に合ってる人もいるので、本当に助けになってあげてください。知ったのですから見て見ぬふりしないでくださいね。いますから》
と、少し文章が乱れた回答。忙しさと精神的な疲れが関係しているのかもしれないが、心配になる一幕だった。
しかしそんな事態とは裏腹に、芸人としての意地を見せた動きにも注目したい。兼近のTwitterアイコンは現在『ONE PIECE』(集英社)に登場するコビーにコスプレした兼近になっているのだが、それも話題を呼んでいる。
コビーは物語の初期に登場するキャラクターで、力強く夢を追う主人公・ルフィに感化されて本気で海軍将校を目指すことを決意。しかし、かつては親交があったとしても、ルフィは海賊、コビーは海軍と、今は敵対する存在。事件の黒幕とみられている渡辺容疑者がルフィと名乗っていることを知った兼近が、過去に付き合いがあったことをもじってコビーのコスプレをアイコンにしたのかもしれない。彼なりの“芸”を見せつけたかたちだろう。
「過去は清算できないから、今できることをやる」という言葉に重みを載せるためには、今後の行動で示すしかないだろう。