トリビア4:先祖は肉食!竹を食べるようになった意外なワケ

「800~900万年前にヨーロッパに生息していたとされるパンダの祖先は、もともと肉食でした。ネズミなどの小動物を食べていたようですが、260万年前の氷河期で、エサとなる生き物がいなくなります。

 ほかの動物との競争などさまざまな要因で中国の山岳地帯へ移動し、生きるために次第に竹を食べるようになったと考えられます。

 パンダが肉食動物のままなら、生存競争に勝てなかったかも。あのかわいらしい姿をいま見られるのは、パンダが竹を食べるようになったおかげですね」

トリビア5:繁殖には母親の存在が重要

「野生のメスは2~3年に一度しか繁殖しません。しかし、飼育下では、母子を3か月で分離すると母親が毎年繁殖できるようになることがわかりました。

 ただその後、メスの子どもの多くは繁殖能力のある個体に育つものの、オスの子どもではうまく繁殖に関与できる個体がなかなか育たなかったんです。

 このことから特にオスでは、母親との密接な時間が、社会性を身につけるうえでいかに重要かがわかってきました。今では、飼育下でも1~1年半は母子を離しません。

 成長して大人になったとき交尾できる個体が増え始めました。身体だけでなく、内面の形成に母親との関わりが大きな意味をもつというのは、人間と共通する部分もありますね」