“必然”とも言えるワールドワイドな韓流ブーム
また、女性グループのBLACKPINKはメンバー4人が各自ディオール、シャネル、ティファニー、ブルガリ、サンローランといった有名ブランドのアンバサダーを務める。
映画『パラサイト半地下の家族』は、非英語圏の作品として初めて米アカデミー賞の作品賞のほかに監督賞などを受賞した。
韓流ブームはワールドワイドに波及していった。
「韓国は1997年の通貨危機によって産業構造が転換され、ITとコンテンツを選択し集中する戦略を立てた。サムスン、LG、SKグループがグローバル企業に育ち、コンテンツにも力を入れて結果を出しました。
人口は日本の半分。マーケットを広げるには海外展開しかない。最初から日本は通過点で、北米、欧州市場を視野に入れていたと思います。
韓流ブームは必然で、韓流というジャンルが世界的にも定着しています。
韓流ブームには学ぶべき点も多い。日本は、トラッドコンテンツを大事にしながらフレキシブルに変化していくことが必要ではないでしょうか」
お話を伺ったのは
増淵敏之(ますぶち・としゆき)1957年生まれ。法政大学大学院政策創造研究科教授。東芝EMIやソニー・ミュージックエンタテインメントなどで30年以上コンテンツ制作に携わり、コンテンツ戦略の第一人者。『物語を旅するひとびと』『ローカルコンテンツと地域再生』など著書多数。最新刊は『韓国コンテンツはなぜ世界を席巻するのか』