電話で涙ながらの謝罪も、続く転売行為
Aさんはメッセージで携帯番号を伝えて、小林から折り返しの電話を求めた。『仮面ライダー鎧武』出演時からファンになり、長年にわたって応援してきた。どうしても、小林の本音が聞きたかった。
「電話が鳴って出ると“小林豊です”と名乗り、泣きながら“プレゼントを売ったことや、洋服とは違うモノを送ったことも、ごめんなさい。でも誰にも言わないで”と必死に懇願してきました。
私としては、応援したい気持ちもあったし、本当に反省しているようだったので“いい仕事をして、もっと有名になった姿を見せてくれたらいいよ。でも、ファンからもらったものを売るのはやめてね”と伝えて、許したんです」
だが、アカウントはそのまま。小林はその後も商品を出品し続けた。
「彼が雑誌で愛用していると紹介していたスキンケアブランド『ライスフォース』の商品も売っていました。本当に使うために持っていたのかっていうぐらい大量に……。宣伝契約をしていた会社からもらっていたのかもしれません。
ほかにも、有名歌手たちが集まる年越しイベント『ももいろ歌合戦』に出演した際に、出場者としてもらったと思われるグッズもありました」
仕事で得たものを転売したら問題だが、ほかに何を売っていたのか。
「ドラッグストアで買えるようなファンデーションやアイライナー、サプリメントも売っていました。なぜ、こんなモノを売っているのか疑問でしたが、箱が少し潰れていたりして、後の報道から、万引きした商品を転売していたのかも……。とにかく転売で、そうとう儲けていたはずです」
だがAさんは、小林の“メルカ転売”を黙認し、さらに他のファンにバレることを懸念して、自らが購入を続けた。
「彼の連絡先は知っていたけど、あくまで“アイドルとファン”の関係を壊したくなかった。直接電話したり、会うことの要求はしませんでした。小林のしたことですが、彼に負い目を感じさせてしまった罪悪感もあり、イベントは必ず参加して、彼が欲しがるものをプレゼントしました。彼が通う美容室に私も行って、その美容室を介して何が欲しいか聞いてもらっていました」
プレゼントしたのは、約40万円するルイ・ヴィトンのバッグ、約11万円するジミーチュウのシューズなど。一般企業で事務職として働くAさんにとっては高価なものばかりだった。
「正直、収入の大半をつぎ込んでいて、かなり無理していました。写真集を出したとき、イベントで“オリコンのランキングに入りたい”と言っていたので、1人で150冊以上買いました。せめて利用価値のあるファンでいたかったんです」
そんなAさんの思いとは裏腹に、小林の態度は冷たいものになっていく。
「2021年の夏ごろから、イベントに行ったら必ずしてくれていたファンサービスがなくなったんです。それまでは毎回、目が合うなど“いることに気づいているよ”っていう、ささやかなサインが必ずあったのに、それもなくなって……。交通費をかけて遠征しても、徒労感ばかりが残るようになりました」
こんな小林の言葉にも傷つけられたと話す。
「トークイベントで“写真集のランキング入り、おめでとう”と伝えたら“今後はランキングとか気にしない”と言われてしまって……。いっぱい買った私が偉いわけじゃないですが、それを本人に言われたのがつらくて。
美容室を介して手紙を渡しても“暗い内容だと思うので手紙は読みませんが、こんなオレでよければ応援してね”ってメッセージが返ってくる。だんだん応援することが楽しくなくなっていったんです」
小林が“ランキング入りしたい”と話した思いを実現するための行為を否定され、思いを綴った手紙すら読んでもらえない。