1.そもそも、るりセンセイは国際政治学者なのか。
学者というと、一般的に連想されるのは大学教授などの肩書があること、もっと細かく言うのなら、大学や研究機関などのアカデミアに属して査読論文や専門書を書いていることを思い浮かべる人がいるでしょう。そういう意味で言うのなら、るりセンセイの国際政治学者という肩書について疑問を持つ人がいるかもしれない。それでは、るりセンセイが嘘をついているかというと、それもまた違うのです。たとえば、医師免許がない人が「私は医師です」という触れ込みでテレビに出たら経歴詐称になりますし、医師免許がないのに医業を行えば医師法違反です。しかし、国際政治学者を名乗るために、明確な基準はないのです。ですから、るりセンセイが「私は国際政治学者です」と名乗るのは自由であり、最終的には聞き手がどう判断するかの問題になってきます。テレビ局がるりセンセイを出演させてということは、テレビ局が「確かに彼女は国際政治学者だ」と認めたと言うことでしょう。文句があるなら、るりセンセイ本人ではなく、彼女を起用したテレビ局に言うべきではないでしょうか。
2.コメントが不適切ではないか
るりセンセイの番組での発言は、たびたび物議を醸しだします。たとえば「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)に出演した際、るりセンセイは「医師が新型コロナを怖がりすぎている」と発言したことがあります。共演者である医療ガバナンス研究所・上昌広理事長が実際に新型コロナを診察した医師が死亡していることを挙げ、「そんなの怖くない医者なんていないですよ。それだったら三浦さん、立ってもらったらいいですよ」と抗議したところ、「私、医者じゃないんで」と返されて終わってしまったのでした。え、何これ、仕事帰りに同僚と居酒屋でいっぱいやってる一般人の雑談を見せられているの?と口をあんぐりさせたのは私だけではないはず。建設的ではないという意味で、この意見は適切ではなかったかもしれません。しかし、もし本当に不適切なら番組を下ろされるはず。ということは、番組の制作責任者は「証拠もなく上から言って、責任を取らない」という“るり節”を評価していたということではないでしょうか。
3.夫の業務内容を知らないとう言い訳
るりセンセイが同番組の「再エネの可能性と課題」に出演した際、「うちは事業者ですから現場を見ているので、いくらかかるのかも、何にかかるのかもわかっているんですよ」と発言していたことから、夫の仕事を知らないという言い分は通らないという人もいるでしょう。しかし、問題はそこではないと思うのです。るりセンセイは菅義偉前首相が立ち上げた「成長戦略会議」のメンバーに選出されるなど、政権と近い距離にいました。2023年1月24日付の東京新聞によると、るりセンセイはここで複数回にわたり、太陽光発電を推進する発言をしてきたとのこと。ですから「妻が夫のビジネスを猛プッシュした」と見られ、ひいては夫の仕事をしっていたはずだと言われても仕方ない。しかし、よくよく考えると、利益を誘導できる立場の人を会議のメンバーに加えること自体おかしいわけで、るりセンセイを推したのは誰なんだという素朴な疑問がわいてきます。
時代が求めているものをバッチリ持っている
テレビ局が学者としての業績ではなく、るりセンセイの経歴と美貌に目をつけ、番組はるりセンセイの上からキャラを歓迎し、会議のメンバーに女性を入れたとアピールしたい政治家が、るりセンセイの知名度に目を付けて重用した。こうやって、いろいろな人の思惑が絡み合って大きく育ったのが、るりセンセイなのではないでしょうか。
みこしに乗せられ、うまく担がれちゃった感のある、るりセンセイですが、私は彼女が他の東大出身の女性コメンテイターにないスター性を持っていると信じてやみません。彼女は時代が求めているものを、バッチリ持っていると言えるのではないでしょうか。