生徒や保護者に対しても、「力で無理やり指導することはできない」と宣言していた。
「無断欠勤などはなく勤務態度はまじめです。先生たちのまとめ役として、授業や部活動の指導などに一生懸命に取り組んでいました」(同校教頭)
“量より質”の理論派だった
同校のホームページによると、部の指導指針は「自主性」と「バレーボールを通じての人間力の向上」。一日の練習時間は授業のない日も含めて3〜4時間にとどめ、週1日は完全オフとしている。思うように部員が集まらなかった時代があり、“量より質”の練習を重視するようになったとみられる。
他の運動部の生徒に対し、
「そんなに長時間練習したら身体を壊すぞ」
とアドバイスすることもあったというから、理論派といえる。
複数の同校卒業生によると、「厳しさ」と「親しみやすさ」が同居する人柄で、生徒に好かれる教師だった。
「生徒指導を担当していたとき、全校集会でマイクを握って“生徒のみなさんを信頼しているので私から話すことはありません”とひとことだけ言って終わりにした。上から目線ではなかったから、女子生徒から“せんせ〜い”と抱きつかれたりしていた」(20代の卒業生)
「生徒のキャラクターを把握した上で厳しく接したり、諭すようにしたりと使い分けていた印象がある。時間を無駄にしてダラダラ過ごしていると“今しか出来ないことがあるんだぞ”と諭してくれた。やる気が伝わってくる先生だった」(30代の卒業生)
理論派で生徒を信頼していたはずのベテラン監督はなぜ手を出したのか。なぜ半裸にする必要があったのか。捜査の進展が待たれる。