ディスコで遊ぶ日々
数日後、父親が軽トラに乗って迎えに来た。2人で荷物を積み込み、日吉の実家へ戻る。家を飛び出してから4か月がたっていた。
「実家には戻ったけれど、学校には行かず、昼は寝て、夜になると赤坂に繰り出しては毎晩ディスコで遊んでいました。学校に通っていたのは高校3年の1学期までで、自主退学扱いになっていたと思います。
親は相変わらず厳しくて、早くまた家を出たいと思っていました。実際、それから何週間も日吉にはいませんでした。再び家を出るきっかけになったのが、赤坂のディスコで出会ったフミコ。彼女は黒人と日本人のミックスルーツで、赤坂のクラブで歌っていた。フミコは彼から暴力を振るわれていて、ディスコで会うたび、
『もうこれ以上耐えられない。逃げ出したい』と言って泣いていました」(次回に続く)
<取材・文/小野寺悦子>