2014年に事前収賄などの罪で逮捕・起訴され
自身の行動でない“干し柿がぶり”で矢面に立たされた藤井市長。彼は2010年に行われた美濃加茂市議選でトップ当選を果たし26歳の若さで政界進出をしているが、実は市議時代に“有罪”判決が下された過去がある。
2013年に当時の現職市長として最年少の28歳で初当選するも、翌年「市議時代に浄水場設備の導入を巡り業者から現金を受け取った」として、事前収賄などの罪で逮捕・起訴された。
当時、「災害時に生活用水を確保できる」とし、市に導入を働きかけていたが、市長になった後の2014年6月、突然逮捕・起訴された。設備の導入に便宜を図る代わりに名古屋市の業者から30万円を受け取ったとされている。
1審の名古屋地裁は無罪を言い渡したが、2審名古屋高裁は逆転有罪に……。
2017年12月、最高裁が上告の棄却により3年間の執行猶予が決まり、市長の座を譲ることになった。しかしその後、執行猶予が明けた2020年12月に1年後の市長選への意欲を固め、見事返り咲いた経緯がある。市民は潔白を訴える藤井市長を支持し、藤井氏は、被告人の立場に立たされながらも、タブルスコアでの大差で再当選を果たした。
一貫して冤罪(えんざい)を主張する藤井市長は2021年に裁判の再審請求もしていたが、今年2月に名古屋高裁は「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たらない」と判断。『冤罪と戦う』(牧野出版)という著書も出版しているが、再審請求は正式に認められない形となった。現在も異議申し立て中だが、一度出た結論が覆る可能性は低いという。
2月にニュース番組『ABEMA Prime』(ABEMA TV)に出演した藤井市長は、
《司法には失望の連続だ。『あ、またか』という気持ち。今回も新証拠を弁護団がかなり必死になって見つけてくださったが、残念だった》
としたうえで、今も無実であることを主張していた。
「美濃加茂市民は藤井市長に多大な信頼を寄せています。“有罪”で市長を辞職した後も、コロナ禍でテイクアウトを始めた飲食店のメニューをSNSで紹介するといった地道な活動を有権者はしっかり評価している。柿にかみついた件に関しても、藤井市長は1月23日にその画像をTwitterにアップしています。
地元民と思しきユーザーから《かみついたところをネタにするのは、なくてもいいのかもしれない》といったリプライも寄せられていましたが、おおむね好意的でアカウント自体は炎上はしていなかった。今回の一件は、岐阜県とは関係のないネットユーザーたちによる批判がほとんどかと」(地方紙記者)
何かと名古屋で問題が起きがちな藤井市長なのであった──。