『モチモチの木』のストーリーを再現すべく、暗闇で木に明かりが灯っているように蓄光素材が
『モチモチの木』のストーリーを再現すべく、暗闇で木に明かりが灯っているように蓄光素材が
【写真】じいさまと豆太が暗闇で妖しく光る、蓄光塗料も使用されたクールな“もちT”

 ‘80〜'90年代のアニメやイラストがブーム。ただ、『モチモチの木』はそれらのポップで鮮やかな絵柄とは違うようだが……。

切り絵の素朴さが“逆に新しい”

「絵の雰囲気は少し怖さがありますよね。ただ、若者の間では“リアリティの回帰”という現象も起こっています。SNSで投稿される絵や写真の加工が行き過ぎている部分があり、無加工のものや、生々しい方がいいという声も出てきています。『モチモチの木』は滝平二郎氏の切り絵作品で、太い輪郭線など切り絵ならではの素朴さを感じさせる。そこが生々しいと映り、評価されたのではないでしょうか」

 この絵のテイストこそが『モチモチの木』Tシャツがヒットした3つ目の要因だと中村さんは分析する。

「このTシャツに真っ先に飛びついたのは懐かしいと感じた中高年層だと考えられます。ですが、大きなヒットとなったのはレトロブームで“エモい”と感じたZ世代にも刺さったことが要因でしょう」

 では、実際に着るとしたら、中村さんならどう着こなす?

「セットアップのジャケパンを着て、そのインナーに『モチモチの木』のTシャツでしょうか。ギャップがあっていいと思いますよ」

 インパクトのあるTシャツだが、中高年でもお洒落に着こなせるはず!