アルバムタイトル『RAPNAVIO』の決め手

梅田サイファーのメンバー・左からKOPERU、peko、KennyDoes
梅田サイファーのメンバー・左からKOPERU、peko、KennyDoes
【写真】インタビュー中も“自由”な梅田サイファー・KOPERU、peko、KennyDoes

Kenny「一生懸命話したんすけど、決まんなかったんですよ。曲の中で、どれもタイトルにするにはしっくりこなくて。例えば『KING』は、アルバムタイトルにするには言いすぎだし、『アマタノオロチ』も何のことかわからなさすぎる。『PARTY』も短いし、“検索しても当たらんやろうしな”とかさまざまな観点から考えて、最後にテークさん(テークエム)が『RAPNAVIO』って言って、それに決まりました

peko「昔、大阪に『HEP NAVIO』っていう建物があって、今はもう『阪急メンズ館』に変わっちゃってるんですけど、梅田の土地にちなんだもので、“NAVIO”っていうのがたまたま“船出”みたいな意味合いもあって“いいじゃん”みたいな感じで

Kenny「そうなんすよ、ラテン語かなんかで船出」

KOPERU「へー、そうなんや」

Kenny「こういう感じ、こういう感じです(笑)」

 タイトルに隠された意味を知らないメンバーがいることも、“個”の集まりである梅田サイファーらしさが感じられるが、今作の楽曲では全員が“個”としてその輝きを放っているものが多い。

peko「全員参加の曲が多いんですけど、“みんなの出所を増やす”っていうのは、意識的にやりましたね。短い小節でラップの個性が出せるのが僕らの強みだっていうのが、『KING』という曲でわかったので、その手法を何曲か試したところ“これは梅田サイファー独自のフォーマットなんじゃないか”っていう発見があったので。そういう意味で“全員でやってる感”っていうのは、特に前半ブロックに強いのかもしれないですね」

Kenny「みんなで集まって作ったのも、でかいかもしれないです」

peko「それもあるね」

KOPERU「合宿して作ったっていうのが」

Kenny「1回につき1泊2日か2泊3日で会議室や事務所を使って、朝10時から夜中2時ぐらいまでやったりとかしてました。それぞれのバースに対して、けっこうディレクションが入るし、短い小節でも、集まってしゃべりながらやとお互いバランスが取り合えるのでよかったです」

KOPERU「今までの作品とか自分たちが出してきた音源っていうのは、他者を入れない自分独自のものを“提出する”感じだったんですけど、今回のはみんなが“こういうのどうやろ”っていう提案を聞き入れることがあったり、“もっとこういうふうにしたらよくなるんじゃないか”“じゃあ、それをやってみよう”っていう、みんなが同じ考えというか、それを受け入れる寛容さを持っていました」

Kenny「同じバイブスでしたよね」

peko「うん、温度感っちゅうか」

 しかし、曲順については明確に考え方が違うという。