「母校の桜の木の前で(映画の)卒業式シーンを撮影していて、花びらが散ってきれいだなと思って眺めていたときに教頭先生に呼び止められて体育館の裏に向かったら、事務所のマネージャーさんに名刺を渡されました」
告白したけどフラれて撃沈しました
陽春を彩る桜の思い出に5年前、通っていた高校でスカウトされてデビューのきっかけになったことをあげた鈴鹿央士。
そんな桜が象徴的なシーンで登場するのがNetflixシリーズ『君に届け』(3月30日からNetflixにて世界配信スタート)。高校の入学式当日に桜の木の下での出会いから始まるラブストーリー。人気同名漫画が原作で、高校生の甘酸っぱい恋模様を描き、映画やアニメにもなっている。
鈴鹿が演じる風早は、男女問わず好かれるクラスの人気者でさわやかな高校生。同級生の地味女子・爽子(南沙良)に思いを寄せている。
「出演が決まったときはワクワクや楽しみというより(作品と)どう向き合っていくのかを考えました。キラキラした王道のラブストーリーを演じるのは今回が初めてだったので、自分にできるのか。そして役のさわやかなイメージは自分とギャップがあるので、どうアプローチしていけばいいのかを考えました。
原作には風早の嫉妬深いところが描かれていたので、そういう人間くさいところを演じていきたいと思いました」
風早と爽子の時にすれ違いながらもお互いを思うピュアな気持ちが描かれている。
「もどかしくなって早く付き合えばいいのにと思ったりもしたけど、ゆっくり時間をかけて2人のペースで進んでいく姿はすごく素敵だなと思いました」
鈴鹿自身の高校時代の胸キュンな経験は?
「告白したけどフラれて撃沈しました。その後トライすることはしなかったので1回で区切りをつけるタイプだと思います」
デビュー映画『蜜蜂と遠雷』での天才ピアニスト役が注目され、多くの映画賞の新人賞を受賞した。以降、映像を中心に活躍し、昨年は『六本木クラス』『silent』といった話題のドラマに出演。『silent』では元カノと親友の恋を見守る“主成分優しさ”と称されるけなげな青年役が評判になり、ブレイクした。
「去年は作品に加えて初めて仕事をしたスタッフさんも多く、いい出会いがあって幸せでした。以前は、感覚を頼りに芝居をしていたけど、言葉や文字にできるようになりました。まっさらだった台本に去年の後半くらいからメモを書き込んでいます」
役者以外にも1月からはラジオ番組『povo presents鈴鹿央士の寄り道トーク』(TOKYO FM)でパーソナリティーに挑戦しているほかバラエティー番組にも出演している。
「バラエティーは楽しくて好きだけど、バランス感覚が難しいと思います。普段、友達と話している感じで素の自分をそのまま出すのも違うのかなと。頭の回転の速さが必要だと思います」
活動のフィールドを広げ成長著しいが、その視野には世界も入っている。
「いつか、海外で仕事をしたいとは思います。でもその前に日本の作品で海外に行きたいという思いのほうが強いです。『君に届け』は世界配信されるので、うれしいです」
“海外デビュー”の第一歩に。
【キラキラな高校生活】鈴鹿自身の高校時代を振り返り、「仲のいい友達とずっといて、部活(バドミントン)もほどよく頑張っていました。土日に部活が終わって友達とお店でラーメンを食べたのはキラキラした思い出です」
撮影/伊藤和幸 ヘアメイク/後藤 泰(OLTA) スタイリスト/朝倉 豊