健永がジャニーズに入所したのは2003年、12歳のころ。経緯を聞くと、こんなエピソードを明かしてくれた。

「私の知人が櫻井翔さんの友人で、名古屋で行われた嵐さんのデビューコンサートの際、健永を連れてホテルに差し入れを持って行ったんです。そのときはジャージ姿だった嵐さんが、次の日のコンサートではかっこいい衣装を着てスポットライトを浴びて輝いているのを見て、健永が“僕もああなりたい”と言って。

 でも、櫻井さんにそんなことを言って迷惑をかけちゃいけないので、本人が履歴書を書いて送って……。ただ、1年半ぐらいは全然リアクションがありませんでした。幼稚園からダンスをやっていたので、もう1回ビデオと履歴書を送ったんです。そうしたら、名古屋の会場で行われたタッキー&翼さんのデビューコンサートでのオーディションを受けさせていただいて、そこで受かりました」

恩師の中居は憧れの存在

 幼少期の健永については「あんまり自分の意見を言う子じゃなかった」と話すのり子さん。しかし、ある出来事がきっかけでその人生が大きく変わることにとなった。

「ジャニーさんが電話で“東京来ちゃいなよ”って言ってくださったらしくて、本人が“行きたい”と。夫も私も名古屋で仕事していたし、デビューできるかどうかもわからないですから、上京は“賭け”ですよね。友人や主人には大反対されました。でも、私は“この子の夢に賭けたいな”と思って。

 いろんな人から“デビューなんかできるわけないでしょ”ってさんざん言われましたけど、それでも健永が“行きたい”と言っていたので、上京を決断しました。本当は弟も一緒に来る予定でしたが、友達の開いてくれた送別会に感激して友人と別れたくなくなったようで、主人と名古屋に残りました(笑)」

 その後、2005年にジャニーズJr.内のユニットが合体する形でKis-My-Ft2が結成され、デビューしたのは約6年後の2011年だった。

 念願のデビュー後は、史上最速となる“CDデビューからわずか18日”で東京ドームコンサートを開催。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を見せ続けている“キスマイ”。

 “恩師”の中居については、家族でも話すことがあるという。

「お会いしたことはありません。先輩としていろんなダメ出しをしてくれるそうで、後輩思いな方だと聞いています。“雲の上の先輩”が、気さくに絡んでくれたり意見をくださるのはありがたいですよね。健永も“番組で中居さんみたいに話せたらいいな”と言っていました。やっぱり憧れの存在みたいです」