【ニッスイ やきおにお】

 ニッスイ『大きな大きな焼きおにぎり』のテレビCMでは、松崎しげるが「コバラがすいたら焼きおにお 大きな大きな やきおにお ほかほかほかほかほか」と、焦がしじょうゆの匂いが漂ってきそうなソウルフルな歌声を聞かせてくれる。

 そのキャラクターは、CM曲で連呼されている「やきおにお」。おにぎりじゃなくて、おにお?? そう、苗字が「やき」、名前が「おにお」。焼きおにぎり一家である「やき家」の次男坊(20歳)だ。

 頑固一徹の父親「やきおにへい」、しっかり者で料理好きな母親「やきおによ」、昔は荒くれ者の祖父「やきおにぞう」、地方を放浪中の長男「やきおにたろう」……と、家族設定に昭和の香り漂う一家である。

「焼きおにぎりは流行の料理ではありません。 シンプルだけどそれだけに飽きがこない。

 そんな焼きおにぎりの化身ですから、“朴訥(ぼくとつ)”なほうがいい、垢抜けないほうがいい。いろいろな案はあったのですが、“やきおにお”! この名前が出て全員に“これだ”という感じがありました。“やきおにお”はそういうイメージが伝わり、長く愛されているのだと感じます」(ニッスイ担当者)

 家族一同、しょうゆ色のおにぎりに手足と目鼻を付けただけのひねりナシ、ストレートな擬人化キャラデザイン。しかし、「おにお」は、焼きおにぎりだけに熱い。CM曲『愛のやきおにぎり』では、小腹が空いたら、お菓子を食べるのではなく、焼きおにぎりを食べて欲しいと訴える。その熱唱ぶりに打たれて、思わず焼きおにぎり、もとい、ほかほかの「やきおにお」をほおばりたくなる。昭和としょうゆがプンプン匂う「やきおにお」。

 ネットでは「しげるの声、シブすぎる」「屋根の上でギター片手に歌うおにお、見てると泣ける」など、昭和のソウルに共感する声多し。おにお、日本人の魂と胃袋わしづかみだ!

夕暮れ時は屋根の上で自作の歌を歌うのが好きな二十歳
夕暮れ時は屋根の上で自作の歌を歌うのが好きな二十歳
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