「野球場でのチアリーダーの盗撮は、現行犯で逮捕することが難しいんです。反対側の応援席から望遠レンズを使って、足をあげる瞬間をズームで撮影していたりもするので、正直全く気づきません」
これらの問題を受けて学校側は“撮影禁止”のプラカードを掲げたり、衣装を露出の少ないものに変えるといった対策を講じている。
「たしかに、ズボンのユニフォームの着用やスカートの下にレギンスを履くことによって“私たちは気をつけている”というポーズを取ることはできます。ただ“パンツスタイルが逆に萌える”“タイツはタイツでむほほ”といったコメントはなくなりません」
盗撮被害が取り上げられることが多いが、それ以外の問題も深刻だという。
ハイタッチに乗じてセクハラ発言も
「観客からのハイタッチに応じると、そのまま数秒間手を離してくれなかったり“大好きだよ”“会えて嬉しいよ”と声をかけられることもありました。それがエスカレートして“あの人とばっかり喋っていてずるい。もう来ないから”と、まるでアイドルに会いにきたかのような人も目立つように。連絡先をしつこく聞かれたり、自分とチアガールの相合傘や“付き合ってください”と書かれたボールを手渡される部員も続出していました。嫌だなと思っても、応援ムードを盛り下げないように、ハイタッチや肩組みを断れない子も多いんです」
“常に笑顔で愛想よく”と教え込まれている彼女たちの、観客に快く楽しんでもらうための対応が、こうした勘違いを引き起こす原因にもなっているようだ。
「高校生のチアは、盗撮対策のノウハウが整っていない印象です。応援に特化しているというより、ダンス部の延長上でやっていたりと、不特定多数の人から近くで見られるということにまだ慣れていない。学校側が生徒たちを守るための対策を徹底していくとともに、こういう問題を報道して当事者たちの意識を少しでも変えていくことが解決に繋がると思います」
チアリーダーたちを不埒な目的でチアする輩たちには猛省を促したい。