パロディやオマージュ、パクリの定義は?

 そもそもパロディやオマージュ、パクリの定義はどういったものなのか?映像制作会社関係者に聞いてみると。

「パロディは、元ネタから何らかの改変がなされ、ユーモアや風刺を効かせて表現したものです。オマージュは尊敬する作品から影響を受けることによって、別の新たな作品を生み出すこと。また、インスパイアは、尊敬する作家や作品に触発され、独自の行動や考え方も加えてオリジナリティのあるものを生み出すことです。

 一方、パクリはオリジナルの作品をそのままコピーして盗むということです。

 オマージュなのかパクリなのかの判断はなかなか難しいところですが、“元ネタの著作権を侵害していないか?”“許可を得られてるのか?”などが、判断のポイントになっていますね」

『怪獣8号』の作者である松本直也は以前、雑誌『ダ・ヴィンチ』の取材で、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に対して、

《放送時に主人公たちと世代が同じだったこともあり、多大な影響を受けました》(2021年10月号掲載)

 と明かしている。

「作者本人が『エヴァ』へのリスペクトを語っていますし、『怪獣8号』が『エヴァ』に似てるのは、パクリではなくオマージュでしょう。また、『怪獣8号』のアニメ化に際し、怪獣デザインとワークスを、『エヴァ』の監督である庵野秀明が代表取締役社長を務める、スタジオカラーが担当します。パクリだと思われているなら、仕事を引き受けてもらえなかったでしょうね」(前出、アニメ誌ライター)

 そんな『怪獣8号』だが、作品の熱烈なファンは多く、既刊9巻で国内累計発行部数は1000万部を突破し、海外からの注目度も高い。

 アニメ制作は、SF作品には特に定評のあるProduction I.Gと、怪獣デザイン&ワークスはスタジオカラーが手がけるので、その映像にはいやがおうでも期待せざるを得ない。今後の原作の展開や、来年のアニメ放映が待たれる。