加賀:ウチの家庭が離婚した関係で、おばあちゃんの家で暮らしてた時期があったんです。その時におばあちゃんがお菓子とか出してくれるんですけど、大体おかきとか濡れせんで、子どもが思っている美味しいお菓子とじゃないんですよ。いや嬉しいんですけど、やっぱポテチとか食べたいじゃないですか。でもおばあちゃんの善意も無駄にできない。だから本心からは喜べないんだけど、とりあえず喜ぶ演技をするみたいな体験が、コントにも染み付いているのかもしれません。
楽をするとダメにになっていく
下積み時代には、月に100本ものネタを作り、毎日ライブをしていたと明かす2人。こうした場数の多さも、大きな武器の1つになっているはずだ。
加賀:もう当時は、数打たないと面白いものは出てこないと思ってたんです。いちばんネタを作っていたときは、なんとなく200本書いたら、賀屋に刺さるような面白いネタが1本できるっていう肌感覚です。僕はネタ作りができなくなってNSC大阪を中退しているんですけど、だからこそウジウジしていても良いネタって出てこないっていうのを痛感していて。
賀屋:もう全盛期は、毎日ライブに出て、しかも毎回違うネタやってましたもん。
加賀:バイトもライブに合わせてシフト入れて。バイト中にネタを作って、ライブ前に集まってネタつめて、そのまま舞台でやって。で、次の日はもう違うやつを作ってみたいな流れです。
賀屋:いや~めっちゃスベってましたね(笑)。お客さんからは「完成させてから(ネタ)おろせよ。変えなきゃいいじゃん」っていう人もいるんですけど、割と毎日来てくれるお客さんもいて。同じライブに出る全員、顔見知りなぐらいなんです。だからこそネタも全部変えて、少しでも目立とうとしてました。
加賀:NSCの時も、ずっと同じネタしているコンビとかいたんですけど、それって自分たちがこれ以上に面白いと思えるネタを作れてないっていう証拠だと思ってて。それで臆病になって、スベることが怖くなって、置きにいっちゃうみたいな。やっぱ楽してるとダメになっていくってポリシーがあるんです。
賀屋:マセキ(現在の所属事務所)のオーディションとかも、本当はダメなのに色々とネタを変えて披露してましたから(笑)。