「息子がとんでもないことをしでかして、申し訳ねぇです。関係者や世間のみなさんには心からお詫びします」
容疑者とふたり暮らしをしているという高齢の父親は、深く頭を垂れた。だが、その後の言葉は意外なものだった。
「真面目なやつなのに、なぜあんなことをしたのか……。それに、店側も約束が違う」
と苦悩を露わにしたーー。
栃木県警那須塩原署は11日、偽計業務妨害の疑いで茨城県つくば市の無職・室井大樹(まさき)容疑者(30)と、栃木県大田原市の建設業・礒(いそ)隆彦容疑者(30)を逮捕した。
「2人は共謀して、栃木県那須塩原市の焼肉レストラン『はんがん西那須野店』で使用済のつまようじを元のケースに戻し、その様子をスマホで撮影した動画をSNSに投稿したというもの。回転寿司店など飲食店で起きた一連の迷惑行為と同じ類い。つまようじを戻したのが礒容疑者で、撮影したのが室井容疑者」(全国紙社会部記者)
警察の取り調べに対して容疑者らは、
「悪ノリでやってしまった」
と供述しているという。
冒頭の言葉は礒容疑者の父親のもの。五男一女の末っ子として育った礒容疑者。兄姉たちは結婚して独立するなか、自営で建築業をしている父親を助けているという。
容疑者の父「息子はスマホ持っていない」
「9年前に母親が他界して、こんな老いぼれた父親を放っておけないから、結婚しないのかも。私にとっては、親思いのいい子です」(礒容疑者の父親、以下同)
室井容疑者は礒容疑者の中学校の同級生で、
「室井くんが仕事か何かでこっちへ来たときに、息子の車であの焼肉店に行った」
礒容疑者はスマホを持ってないと父親は言い張っていて、
「ゲームをやりたい時だけ、ときどきオレの『らくらくホン』を貸してやってるぐらいだからね。だから、この事件はスマホを持ってる室井くんのほうが面白がって主導でやったんじゃないか」