年内訪英が厳しい理由
前出の名取さんも、両陛下の訪英に期待を寄せる。
「一般の英国民にとって、日本の皇室はなじみが薄い存在ですが、両陛下が国賓として訪英されたあかつきには、いろいろな日本関連イベントが行われ、英国民からも歓迎されると思います」
コロナ禍がなければ両陛下は'20年に訪英し、エリザベス女王と面会される予定だった。
「4月5日には、アメリカのバイデン大統領が、チャールズ国王から国賓として招待を受けたと公表されました。これに続いて、両陛下の訪英も今年中に実現できればという意見が多数寄せられています」(宮内庁関係者)
しかし、訪英のハードルは、想像以上に高いようだ。
「両陛下は6月下旬、インドネシアを公式訪問される予定です。外国への親善訪問は即位後初、かつ雅子さまにとっては初のアジアとなり、ご体調の調整は大変でしょう。訪英されるとしても秋以降になると思いますが、年2回の外国訪問はさすがに厳しいのでは……」(前出・宮内庁OB)
秋には、両陛下が特に重きを置かれる“四大行幸啓”と呼ばれる地方公務のうち、国民体育大会、国民文化祭、全国豊かな海づくり大会の3つが行われる。
「開催地はそれぞれ鹿児島県、石川県、北海道と遠方です。雅子さまはいまもご回復の途上で、行事が続くと疲れが残りやすいとか。秋の公務ラッシュをこなした後、海外訪問されるとは考えにくく、一部では年内の訪英は現実的ではないといわれています」(前出・皇室ジャーナリスト)
来たるその日に向けて、国母の奮闘は続く。
高森明勅 國學院大學講師。神道学や日本古代史を専攻し、『天皇「生前退位」の真実』など著書多数
名取由恵 イギリス在住ライター。翻訳者。英国ドラマ愛好家。英国エンタメを中心に執筆を行う