この会社で行われているビジネスは、実はこれだけではない。
「会社名義で、不動産オーナーにもなっているんです。東京都下にある木造2階建てのアパートを丸ごと一棟、購入しています」
アパートの目の前に駅ができる?
そのアパートは、JRや私鉄が乗り入れるターミナル駅から、2キロほど離れた大通り沿いにある。外壁は真っ黒に塗られており、部屋数は10室ほど。このアパートを売却した不動産業者に話を聞くと、
「更地に建物を建てて、投資家に売っただけですよ」
と、大野が関わっていることはまったく知らなかったという。ただ、投資にはもってこいの物件だそう。
「駅から距離がありますが、バス停が目の前。坂道が多いエリアですが、ここは坂を歩かずに駅まで行けるので人気があります。すべて1LDKの部屋で、利回りは都心の物件よりいいはずです」(同・不動産業者)
近隣住民からはこんな声も。
「このあたりは将来、モノレールが通る予定で、周囲の家は計画道路になっています。市は早く進めたいそうですが、立ち退きはこれからなので工事はまだ先ですが……。アパートの目の前に駅ができると、噂になっています」
価値が上がると見越して購入していたのであれば、その鑑識眼は確かなように思える。しかし、リゾートホテル計画を望んでいなかった大野が、同意したうえでのビジネスなのだろうか。
4月中旬、リゾートホテルや不動産ビジネスなどの真相を聞くべく、都内にあるA氏の自宅を訪ねた。