目次
Page 1
ー 昭和のヒット曲『前略、道の上より』が若い世代にバズる理由

 

 YouTubeで公開されるや否や、とんでもない勢いで再生回数を伸ばしている楽曲があるのをご存じだろうか。

昭和のヒット曲『前略、道の上より』が若い世代にバズる理由

 芸能事務所スターダストプロモーションに所属する若手男性アーティスト集団・EBiDAN(恵比寿学園男子部)の新プロジェクト「春だ!ソイヤだ!EBiDANだ!」がカバーした『前略、道の上より』のことだ。公開10日で300万回、20日で500万回再生超え。

動画のコメント欄を見ると一世風靡セピア世代の方が多い。ちょうどEBiDANファンの親の層ですね。子から親、親から子に、こんな曲あるの知ってる?という会話が生まれどちらの層にも伸びているようなんです。かつて一世風靡セピアのファンだった親のDNAが、子がEBiDANのファンになる流れを作っているのが面白いところ」(所属レーベル・SDR A&Rチーフ)

 最近では、映え写真が撮れる老舗旅館「ハトヤ」旅行がバズったりと、昭和レトロが若い女性のなかでブームとなっている。

原曲が1984年、39年前のものですね。よく言われることですが、音楽は20年で1周する、つまりちょうど2まわりしたところでタイミングがぴったりきている。ゲスの極み乙女。の川谷絵音さんの編曲で、うまく現代的かつ都会的な音になっています」(音楽ライター・宮本英夫さん)

一世風靡セピア
一世風靡セピア

 EBiDANとは、20代女性に人気の、超特急・M!LK・SUPER★DRAGON・さくらしめじ・ONE N’ONLY・原因は自分にある。・BUDDiiSの7グループ、総勢48名からなる集団。

もともとEBiDANは劇団から始まり、そこからアーティストとして各グループが成長していったという経緯があります。実は一世風靡セピアさんも劇団から始まって音楽を始めたという流れが同じなことがわかりまして、リスペクトしてこの曲をカバーすることになりました」(チーフ)

 コロナ禍を経て3年ぶりに、ライブでの観客の声出しが解禁となり、夏祭りや花火大会の復活が望まれる今。

この曲の主役はダンスパフォーマンス。最大の特徴はサビがないことで、一人で歌いあげるのではなく全体で合唱する曲なんです。だから今回のEBiDANのように踊れるチームがカバーしたというのは運命だったと思います。それにこのタイミング。さすがにもうみんな声を出したい、ひと騒ぎしたいという気持ちが盛り上がっていますよね。一緒に歌い、一緒に踊れる曲を欲している、これから始まるムーブメントの呼び水になるでしょう」(宮本さん)

 動画を見ると、EBiDAN48名そろってのパフォーマンスがかなりの迫力でクセになる。

「一世風靡さんのパフォーマンスは非常にパワーがありますし、当時の時代のムードもあってメンバーの皆さんの込めてる気合がすごい。メンバーもそこに負けないようにということを意識しました。いい意味でピリピリとした緊張感が出ていて、今までのEBiDANとは違う顔が見られると思います。

 本家の振り付けがすでに完成されているので、リスペクトの思いは込めつつ、正拳突きのポーズや腕の角度を変えたりオリジナリティーを出す工夫をしました。間奏のパートなどについては、魂や気迫をイメージし作りました」(担当コレオグラファー・GAMIさん)

 これから夏のライブ&お祭りシーズンを控え『前略、道の上より』、ますます盛り上がるに違いない。48名そろっての紅白出場も?