“どこが?”と謙遜するが、グループの魅力のひとつとして最初にあげるとすれば、桜井、坂崎、高見沢の“3声”によるハーモニーだろう。それぞれの特徴ある魅力的な声がぶつかり合うことで、唯一無二のハーモニーが生まれていく。
高見沢「そこを目指してやってきましたから。3人の個性あるリードボーカルがいるのだから、主張のあるコーラスでも構わない。もちろん、溶け合うように裏声だけで歌うときもありますけどね」
坂崎「クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングや、ビートルズみたいなバンドの3声のコーラスを聞いたときに衝撃を受けたんです。合唱団のコーラスとは違う、溶け合わない、ぶつかり合う感じに。2声のコーラスとも、また違うんですよね」
桜井「“バンドでコーラスをやりたい”というのが僕らの始まりですから」
高見沢「そう。(大学時代)キャンパスでも、よく3人で歌っていましたからね。運動部の面々によく怒鳴られたよな」
坂崎「とにかくデカい声で歌っていたから」
高見沢「たまに皿とか飛んできたりしてね」
坂崎「“これはまずい!”と思ってすぐ帰ったよな(笑)」
いつもと変わらない1年に
高校で出会い、今日まで歌い続けている同級生3人は、来年デビュー50周年を迎える。特別な計画はあるのだろうか。
高見沢「いつもと変わらない1年になるんじゃないですかね。いつもどおりにライブをして、いつもどおりに楽曲を創作する。ただ、その年がデビューから50年であるという」
坂崎「半世紀ですから、まわりは何かやってくれるかもしれないけど。それはね、“ありがとうございます”とお受けします(笑)」
高見沢「ぜひ、週刊女性の表紙でもお願いしますよ!」
改めてグループ名の由来を教えてください
坂崎:よく冗談ではね、“ある日(アルフィー)、突然”と言っていましたけど。
高見沢:呼びやすい、覚えやすいということでレコード会社の方がつけてくれたんじゃないかな? 最初は少し抵抗がありましたよ。ほら、名前でもそうじゃないですか。“賢”ってちょっと恥ずかしいなと思う名前だけど、桜井もここまでくると結構いいなと思う。
桜井:大きなお世話だよ(笑)。人の名前で遊ぶな。でも、“違う名前だったら”と思ったことのある人は多いと思うよ。
坂崎:ほんとうにそう。自分でつけたものじゃないから。最初の“コンフィデンス”というグループ名には結構、愛着があったからな。
高見沢:本当は、変えたくなかったよな。
坂崎:ただ、似た名前の情報雑誌があったりしたので、変えたほうがいいと言われて。考えたけれど、僕らの中じゃいい名前が出てこなかった。そうしたらスタッフが“ALFEE”を提案してくれて。
桜井:ほかにもいくつか候補があってね。
高見沢:当時、事務所の先輩にガロというカタカナ2文字の人気グループがいたから、ドレミファソラシドの“シド”と、という名前になったりしたな。
坂崎:シドが有力候補だったのが、突然、ALFEEになった。
高見沢:多分あの頃、TBS会館の地下にシドという名前のレストランがあって、それで、やめようという話になったんだと思いますね。
桜井:THE ALFEEって意外と発音が難しいよね。僕らの先輩なんかは大体“アルヒ―”って言うから。
坂崎:桜井の家のおじいちゃんは、“アルフェ”だっけ?
桜井:違うよ。それ、花屋が間違えた話でしょ。
坂崎・高見沢:花輪が届いたんですよ!
桜井:“アルフューさんへ”って
坂崎:それも、桜井の地元でライブをしたときに。カタカナで“アルフュー”さんへって(笑)。
高見沢:あのときの花輪の写真、残っているよな。
坂崎:ある(笑)。確かに、言いづらい名前だよね。
高見沢: 50年も経つと、色々ね、ありますね。
ヘアメイク/野原ゆかり