ドラマには、船越が過去に2時間ドラマで演じた役が登場する。
「第1話に登場する火災調査官は15作演じましたが、ドラマでは熱護として演じるので僕にとってはハードルが高い。でも、こういう新しい挑戦をさせてもらえるのは大変だけど役者冥利に尽きると思っております」
原点という2時間ドラマとは?
「世界に誇れる文化だと思っています。ミステリーなので事件を解決して、それを楽しんでもらうのが基本ですが、その骨格には繊細なドラマがあります。ホームドラマ、ラブストーリーといったカテゴリーが凝縮されている。いろんな条件を満たして1話完結で見やすい。その火が消えてしまうのは身がよじれるぐらい残念です。この火を消さないよう、みなさんに2時間ドラマを楽しんでもらえるべく虎視眈々と常に準備をしています」
これまで300本以上の作品に主演してきた。
「2時間ドラマの成熟期、爛熟期には、今回のドラマのセリフにもありますが“今の視聴者は目が肥えているので、裏の裏をかかないといけない”というふうでした。最初に登場した怪しい人は犯人じゃないとか2時間ドラマあるあるみたいなセオリーもできた。大いなるマンネリにのっかるのがいいのか、すべてを排除するのがいいのか。(視聴者に)どうやって新鮮な気持ちになって見てもらえるのか。いたちごっこでスリリングでしたよ」と振り返る。
取材中、四字熟語が印象的で、役者の矜持を四字熟語にしてもらった。
「捲土重来。人生は平たんではない、へこむときもある。熱護みたいに長い休日を強いられることもあるかもしれないが、あきらめなければ必ず再生できる。今回のドラマテーマそのものであり、それを体現したい今の僕の気持ちです。でも作品が変わったら変わりますよ。画竜点睛、一意専心、我田引水とかね(笑)」縦横無尽だ。