梨園事情に精通する芸能リポーターも厳しい目を向ける。

役者たちへの過剰な性的スキンシップが日常化し、さらに関係を拒否すると舞台から外されるなどの“仕打ち”を受けるというもので、これが事実ならば“座長”という立場を利用したハラスメント行為なのは明らか。被害者にしてみれば、猿之助からの“裏切り”に映りますよ」

 猿之助の事務所は複数のマネージャーに聞き取りをしたとして、《弊社管轄の現場において、そのような事実は現在出てきておりません》とハラスメント疑惑を否定。

 松竹もまた5月23日の株主総会において、迫本淳一社長が「ハラスメントはあってはならない」「事実関係を確認していきたい」と声を大にしたものの、以後の“事実関係”は聞こえてこない。

セクハラ・パワハラ疑惑より大事なこと

「市川團十郎や尾上菊之助、松本幸四郎ら同世代の役者同様に、現代劇でも引っ張りだこの猿之助はこれからも伝統芸能の中心として客を呼ばなくてはならない存在。

 梨園界隈ではパワハラセクハラ疑惑の追求よりも、猿之助の復帰の方が重要と見える。擁護論が出てくるのは至極当然の流れなのでしょう」(前出・芸能リポーター、以下同)

 松竹は6月3日、公式HP上で《当局による対応続き》と、関係者への捜査が続いている状況としつつ、

《さらに、推察される本人の心身の状態に鑑みましても、6月公演に引き続き、その後の出演も困難と判断し、10月までの下記各公演につきましても休演とさせていただきますことを決定いたしましたので、お知らせ申し上げます》

 猿之助の休演を10月まで延長する旨を発表。

自殺ほう助の罪などで逮捕の可能性もある猿之助ですが、舞台に立てる状況が整い次第“復帰させる”との文面にも受け取れます。歌舞伎という異形の世界では“事件”すらもなかったことになるのでしょうか」

 失意の猿之助。本人の口から全ての事実が明かされる日は来るのだろうか。