5月8日から新型コロナウイルスが5類に移行したことで、観光地には活気が戻り始めている。多くの人が、夏休みの旅行を計画していることだろう。おすすめの旅行先はあるのか? テレビで耳にする、わかりやすく丁寧な口調で鳥海さんが解説する。

おすすめは「大谷翔平」!?

「キーワードは、“外国人がまだ戻りきっていない場所”です。現在、インバウンドが急速に戻ってきているため、国内の主要都市は混雑率はもちろん、ホテル代も高くなっている傾向にあります。沖縄に行くにしても、那覇ではなく石垣島や宮古島といった離島を選ぶといいでしょう。主要な場所から外れた場所が狙い目です」

 そして、国外に関しては、ズバリ「大谷選手を観戦しに行くのがおすすめ」と野球好きならではの驚きのプランを教える。

「JALが設立した国際線中長距離路線LCC(格安航空会社)のZIPAIRなら、時期にもよりますがロサンゼルスまで最安片道5万円台ほどで行けます。機内はWi―Fiが無料ですし、座席もLCCにしては広い。僕もZIPAIRに乗って大谷選手を見に行っているほど(笑)。来シーズンは、ロサンゼルスに本拠地を置くチームではないところでプレーしているかもしれない。そうすると、もっとコストがかかってしまう」

 鳥海さんは、「思い立ったときが旅行に行くタイミング」と話す。

「僕自身、時間が空いたらどこかに行くというスタイルをずっと続けています。近い、遠いではなく、自分が行ってみたいと思う場所に行くこと。旅行の醍醐味は、現地でしか味わえないものを体感することです。その魅力って、たとえテクノロジーが発展しても変わらない。旅行に行ってみたい─。その気持ちを後押しできるような発信をし続けていきたいです」

 他先進国に比べると、日本の有休取得率は高いとは言えない。そのため、GWを筆頭にまとまった連休に多くの人が押し寄せる状況が続いている。こうした状況に、鳥海さんはこんな提案を授ける。

「コロナ禍によって、ここ日本でもオンラインが一般的になってます。先日のGWでは、連休谷間の1日と2日のみオンラインで授業をする学校もありました。積極的にオンラインを活用することで、旅先でも働ける、学べるという選択肢が増えれば、日本人の旅行観も変化してくると思います。コロナの経験をプラスに変えていくことも、これからの課題。僕も、そうした新しい旅行の形を身をもってお伝えしていきたいです」

 鳥海さんは、誰でもできる旅行や少し背伸びをするくらいの旅行をモットーとしていると笑う。等身大の旅行。これからも鳥海さんのアドバイスを耳にする機会は多そうだ。

とりうみ・こうたろう 1978年千葉県生まれ。航空・旅行アナリスト。成城大学経済学部経営学科卒業、城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科修了。2013年より帝京大学理工学部航空宇宙工学科非常勤講師。航空会社のマーケティング戦略を主研究に、旅行トレンドの調査などを行う。YouTube「PTA 鳥ちゃんねる」を昨年12月に開設。

取材・文/我妻弘崇 撮影/山田智絵