《同じインターハイなのにマジでこの格好の差はなんなんだ…女子の親としてマジで陸上やらせたくねえ》(本文ママ)
“アスリート盗撮”が問題化
6月20日、こうしたツイート投稿が物議を醸した。
「該当のツイートでは、高校陸上部の男女のユニフォームの違いに憤りを覚えているという内容でした。文章と一緒にアップされた画像では、男子は上はノースリーブで下は短パン姿ですが、女子はセパレート型ユニフォームといわれるビキニ水着のような格好。親目線で考えれば、ユニフォームとはいえティーンの女性が人前で肌を多く露出することに抵抗があるでしょうね」(ネットメディア編集者、以下同)
この投稿に対してSNS上では、
《たしかに性的かも…》
《どうして、男女でユニフォームが違うんだろう》
と、共感の声も。
「近年、競技に取り組むアスリート選手を性的な目的で撮影する『アスリート盗撮』が問題化しています。撮影された写真は本人の知らないところでネット上にアップされるなど被害を受けていますからね。露出の多いユニフォームが気になるのは、やむを得ないと思います」
前述のツイッター投稿を含め、セパレート型ユニフォームに対する懸念の声を、陸上競技経験者はどう受け止めているのか。このユニフォーム問題を取り上げた『陸上競技部あるある 偏見Bot(@HenkenRikujoubu)』アカウント運営者の男性・Aさんから話を聞いた。
「自分は中高6年間、陸上部に所属していました。誤った認識で陸上競技全体が見られるのは良くないと思い、ツイッター上で意見を集めることにしたんです」
Aさんは発端となった投稿を元に陸上経験者から意見を募集。DMやリプライで40件ほど集まったという。
「私は男なのでセパレート型ユニフォームを着たことはありませんが、女性の陸上競技経験者からは”セパレート型ユニフォームは動きやすい”や“0.1秒タイムが伸びた”といった意見が寄せられました」(Aさん、以下同)
やはり、セパレート型ユニフォームは機能的に優れているようだ。
「女性は身体の構造上、胸がありますから、ランニングシャツだと胸の下の部分に空間ができて空気抵抗が大きくなってしまいます。また胸を固定していないと体の軸がぶれたりもしますからね。中距離・長距離はともかく、コンマ数秒差が結果をわける短距離系の種目ではセパレート型ユニフォームは重宝されるんです」
陸上強豪校は積極的に取り入れているという。
「ユニフォームを決定するのは基本的に部活の顧問ですが、少しでもいい記録を残したい選手にとっては機能性が最重要。女子選手から“お腹の肉が目立って恥ずかしい”という意見は聞いたことはありましたが、露出自体が問題になったことは私の周りや寄せられた意見の中にはありませんでした」
Aさんは陸上競技者としてはセパレート型ユニフォームを擁護しつつも “アスリート盗撮”という問題が起きていることも把握している。
「自分の子どもにセパレート型ユニフォームを着せたくないと思う気持ちはわかりますが、もし、ご自身のお子さんが陸上をやりたいという気持ちがあれば、本人の意志を尊重してあげて欲しいですね」
競技者と親。それぞれの目線で見解が異なるセパレート型ユニフォーム問題。陸上競技だけでなく、真剣勝負に向けられる邪な視線は一掃されてほしい。