『ウタマロ石けん』は口コミが再ブームのきっかけとなったケース。手で洗濯していた昭和32年の発売以来、東日本を中心に広く普及したが、全自動洗濯機の普及により、粉末洗剤や液体洗剤など次々と登場する新商品の陰に隠れ、長らく薬局などの片隅でひっそりたたずむ存在であった。
発売66年目にして最大のヒット
風向きが変わったきっかけは洗濯機では落ちないガンコな汚れが落ちると、部分洗い用として広まったこと。20~30代の子育て層が『ウタマロ石けん』による洗濯物の汚れ落ち具合を画像つきでSNSにアップするなどした結果、「泥汚れが抜群に落ちる!」と、その並外れた洗浄力に多くの支持が集まった。メーカーの広報によると、
「2008年は200万個弱だった出荷実績が、2022年度は1300万個まで躍進しました」
とのこと。発売66年目にして、いま最大のヒットを迎えている。若年層での認知度の低さを逆手に取った、ユーモアあふれるキャンペーンが昨年話題となったのは、昭和45年からロングセラーを続けるKINCHOの『サッサ』。使い捨てぞうきんの“元祖”ともいえる商品だ。
「右肩上がりの商品ではありませんが、ここ数年も安定した売り上げを維持しております」と、KINCHOの担当者は話す。
昨年のキャンペーンでは、消費者に「サッサと聞いて思い浮かぶことは?」とアンケートを実施。ところが「なにも思い浮かばない(20代)」「踊り(70代)」など珍回答が続出。