エロそうな雰囲気すら全然なかった
指導を受ける女子学生は、
「いい先生。まじめな先生。事件を知ったときは“えーっ”と思った。セクハラどころかエロそうな雰囲気すら全然なかったから」と驚く。
美容師になるためには国家試験をパスしなければならない。将来の夢に向かって勉強にいそしむ学生にとって、頼りになる指導者だった。
「国家試験の実技課題である『ワインディング』を教わりました。パーマをかけるとき毛髪をロッドに巻く技術なんですが、丁寧に指導してもらったことが印象に残っています。落ち着いた物腰の先生ですよ」(別の男子学生)
声を荒らげたり、偉そうな態度をとることもなかった。教職員のあいだでも指導力を認められた存在だった。
「いい先生でした。逮捕された事実について学生と保護者には学校からきちんと報告していますが、事件の詳細を把握していないのでこれ以上は話せません。ご迷惑をおかけしました」(学校関係者)
性犯罪の取材では、容疑者の周辺から「性欲を発散したいのならば風俗に行けばよかったのに」などと声が上がることがある。
そんなに安直な話でもないだろうが、阿部容疑者の場合は明らかに異なる。風俗に行った直後に興奮して尾行を始めているのだから、表の顔とは裏腹に人並みはずれた性欲を持っているのかもしれない。
教え子の、別の女子学生は言う。
「やさしくてイケメンなので女子学生から人気の先生ですが、やったことは最低だと思います。尾行するなんて気持ち悪い。被害に遭った女子高生の気持ちを考えると、怖かったと思うし、私だったらトラウマになりそう。絶対許せない行為です」
尾行中の45分間、国家試験合格を目指して教えを請う学生たちの顔は思い浮かばなかったのだろうか。